会の醍醐味は…

こちら、昭和初期の留袖です。ほとんどの方が、長い時間足を止めてご覧になっていました。初日の午前中の様子です。京都からお手伝いに来て下さった、染織に詳しい問屋さんが、専門的に説明しています(左端の男性)。

明治〜大正の頃は家紋がとても大きかったのですが、昭和に入るとグッと小さくなるそうです。それから、模様の、水のような波のような部分の灰色が、技法的に表現するのがとても難しく、それゆえにこの留袖はとても価値のあるものなんだそうです。この時間にお見えになったお客様は、ラッキーでしたね。

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昔の着物は、どれもこれも裏地や裾や、見えない部分や細部に凝って作られています。ついつい気になって、紫の裏が赤だった… なんて触れてみることができるのも、今回の会の醍醐味でした。豪華な刺繍も織りも、至近距離で見て触れることのできるチャンスは、なかなかありませんよね。

余談ですが、母が締めております帯は、沖縄の芭蕉布です。天然素材の良い色合い、皆様に好評でした。

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