裏管理人ふたたび:3

以前きときと舎を紹介しましたが、他のお客さんがいらっしゃったので、店内の様子を撮影することができませんでした。今回、たまたま僕たちだけだったので、すかさず撮影。前回は伝わらなかった店内の雰囲気をご覧下さい。

いろんな小物、アンティークが置かれているのですが、座っていると本当に落ち着きます。隠れ家に忍び込んでいるような感じ。

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以前ご紹介したときに、「昔のジャズ喫茶」みたいだと書きました。その印象は今回も変わりません。僕が学生の頃は、このような喫茶店がたくさんありましたが、今では喫茶店そのものの数が減り、ジャズを聞く若者というのも少なくなっているようです。学生街には必ず数軒あったこういうお店は、今や希少価値(学生街の雀荘もそうでしょうか)。

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自らがジャズ喫茶のオーナーであり、ジャズ評論家でもある寺島靖国さんが、著書の『辛口!JAZZノート』の中で、ご自身が学生の頃に初めてジャズ喫茶に足を踏み入れた頃のことを書いています。ひょっとしたら今もそうかもしれませんが、ジャズ喫茶というのは、他の喫茶店と比べて、初めてのお客さんにしてみれば、何となく敷居が高くて入りづらいというイメージが当時はもっと濃厚だったとのこと。それはそうでしょうね。難解そうに聞こえるので、それなりの蘊蓄とセンスをもっていなければお呼びではないという匂いがジャズにはあります。だから、そのような音楽を専門に聞かせるような喫茶店のお客さん、経営者というのはうるさ型で、知識がない初心者を歯牙にもかけないのではないかと思ってしまいがちです。

きときと舎には、そのような排他的なところは全くありません。初めてのお客さんでも、よく通う人でも、常に同じ距離感で接してくれます。店内でかかっているジャズについて尋ねると、嫌な顔など全くせずに教えてくれます。

上の写真を撮ってから2時間くらいが経過した、夜の11時近くだったでしょうか、小学生の娘さんたち3人を連れてやってきたご夫婦がいました。お酒を出す薄暗いお店へ、深夜に近い時間帯でありながら子供を連れてくるということに大変驚いたのですが、どうやら近所で割烹を経営している方のご家族だったようです。つまり、土曜の夜ということもあって、ふだんはなかなかできない家族そろっての晩ご飯をきときと舎でとっていたわけですね。こんな風に家族連れでも気軽に食事が取れるお店です。一方で、カウンターには2次会で飲み直しているお客さんたちもいて、普通のお店ならば相容れないような光景が、違和感なく融けあっています。この店の懐の深さを感じさせる出来事でした。

ちなみに、上の2枚目の写真に写っている、雑誌を読んで(いるふりをして)いる人は、このブログの本来の管理人です。