きときと舎

昨日は松葉さんでお寿司でしたが、今日はその近くにある「きときと舎(や)」さんに行きました。

店内に一歩入ると、昔はよく町中で見かけたジャズ喫茶のような雰囲気があります(この夜は他のお客さんもいたので、店内の写真は遠慮しました)。

晩ご飯を食べて軽くお酒を飲むために出かけました。まずビールを頼んだので、突き出しが出されます。三種盛りの真ん中のおつまみが珍しくておいしかったです。マスターに何なのか聞き忘れてしまったのですが、何か数の子のようなものをマヨネーズで和えたものでした。黒かったので数の子ではなかったようです。

昨日に引き続き、お刺し身の盛り合わせを頼みます。さすが漁港氷見です。ここでもおいしいお刺し身が出てきます。

手作りのギョウザも注文します。右側にちょっとだけ写っているのは、素揚げしたジャガイモを使った、ジャーマンポテト風サラダ。ちょうど品切れだったポテトサラダの代わりに出してくれました。このお店は、午前11時から営業しており(木曜定休日)、ランチも出してくれます。定食類も大変おいしいです。

僕がこの店にくると、どんなにお腹がいっぱいでも必ず注文するのが、この焼きそばです。甘めのソースの味わいが大好き。どこのソースを使っているのでしょうか、関西風とも関東風とも違っている感じがします。

ビールから赤ワインへ変えます。何かボディのある赤ワインでおすすめを、とマスターに頼むと、すぐに7,8本のボトルを出してくれました。その中からえいっと選んだのが南アフリカのワイン。勘で選んだのですが大当たりで、まろやかでありながらしっかりと主張もあり、けれども、いさぎよくのどに消えていく感じでした。ラベルがやぶれていたので、ワインの銘柄の記憶が定かではないのですが(アルコールの霧の中に消えかかっています)、確か”Lindon Park”という名前だったと思います。

マスターが、これをちょっと飲んでみて、と出してくれたのが、Wild Turkeyの15年ものでした。12年ならばどこでも見かけますが、マスターによると15年ものというのは醸造所で24000本くらいしか製造せず、日本へはそのうち6000本のみ入荷とのこと。これは50度あるのですが、ストレートで口に含んでも、バニラのようなやわらかさ、まろやかな口当たりで、これくらいの度数にありがちの、口中でカッと弾けるような荒々しさが全くありません。すーっと入っていく感じがします。マスターは常にお酒に関する様々な情報をキャッチしており、珍しいお酒をいろいろと教えてくれます。今回はこれが飲めて大当たりでした。

店内の音楽は(もちろん)ジャズです。この日かかっていたのは、安富祖貴子の『ハレルヤ〜サマー・オブ’86』。実はこの日初めて聞いて、最初は何の疑いもなく黒人女性のシンガーだと思っていました。日本人だとわかってびっくり。この人の音楽を知ることができたのも収穫でした。

店内は、上にも書いたように昔のジャズ喫茶風。アンティークの時計やら小物が多数置かれており、けれども雑然としたところは少しもなく、不思議な秩序で店内がまとまっています。この雰囲気の中でお酒をゆっくり飲むのは、本当に気持ちがいいです。氷見でほとんどのロケが行われた、今村昌平監督の『赤い橋の下のぬるい水』の撮影の際には、出演した俳優さんたちがよく飲みに来ていたとのことです。出てくる料理もおいしいですからね、ここなら、晩ご飯と晩酌を全部すませることができますね。

追記:この日は串カツも頼んだのですが、写真に撮るのを忘れてしまいました。おいしかったです。