桶絞りの訪問着ー藤井絞ー

雨粒がキラキラと光る朝を迎えました。昨日は雨の中、初めてお稚児行列に参列しました。お初の色留袖を着る予定でしたが、雨のため急遽変更。ここぞという時の勝負訪問着を出しました。桶絞りと友禅が華やかに融合した、藤井絞の逸品です。地色も柄のボリューム感も、お寺の法要にたくさんの人が参加するというシーンにぴったりでした。帯は皆川月華の作。菊と牡丹をモチーフにした、非常に力のある帯です。

sibori

今回は出番のなかった留袖ですが、いつか袖を通せる日を待つ楽しみが増えました。きものを着るという作業は、とても前向きな作業だといつも思います。この年齢になったらこれを着たいなぁとか、いつかこの色に挑戦したいなぁとか。いつかこの着物にぴったりの帯に出会える日まで待とうとか。発酵の時間、熟成の時間があります。待つことの楽しみを、雨のおかげで持つことができました。