とても美しい黄色の紬に、アップリケの櫛柄が可愛らしい名古屋帯を合わせました。
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どちらも、桶染め絞りの作品です。
左の振袖は、大胆に染分けられた桶染めらしい一枚ですね。
右は、吉祥柄の「雲取り」と呼ばれる文様を染分けた作品です。
同じ技法でも、それぞれまったく違う個性を持っていて素晴らしい。
まさに、日本人ならではの感性ですね。
染料に「浸けて」染める絞り染めには、ひとつの色に奥行きがあるので、つい見入ってしまいます。
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桶染め絞りの桶です、これが。
桶染め絞りとはその名の通り、桶を使って色を染分ける絞り染めのことです。
桶の中に染めない部分を入れ、染めたい部分を外に出し、蓋をします(写真の状態)。このまま染料の中に浸けます。
蓋をしたところに、茶色に染まった部分がありますね。染め職人さんの手元から戻ってきたばかりの桶です。
生地を桶に仕込む職人さん、染める職人さん、それぞれの作業に専門の職人さんがいらっしゃいます。一色染める度に、ふたりの職人さんの間を桶は行ったり来たりすることのなりますので、桶絞りの場合、色数が多いほど手間や高い技術を要することのなります。
ちなみに、桶絞りの桶だけを専門に作る職人さんもいらっしゃいます。たった一枚の着物に、たくさんの職人さんの技術が集合している訳です。
桶絞りの特徴は、大きな面積を染分けること。29日にご紹介しました振袖の牡丹、葉の輪郭などがそうです。
他にもいろいろなデザインがありますが、それはまた明日。。。