今年も有職雛が揃いました。本日10日より22日(土)まで春の宴を催しております。お人形の豊かな表情をお楽しみ下さいませ。
衣装は故 喜多川平朗氏の手による、有職織の最高峰。皇室献上用に3体のみ作られたうちの、ひと揃えです。今にも笛の音が聞こえてきそうな、賑やかな宴です。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
はや立春です。北陸とは思えない穏やかな大寒でした。ありがたいような、怖いような一月でしたが、皆さまいかがお過ごしでしたか?
さてワタクシゴトではございますが、ただ今育児の真っ最中。とても着物に袖を通す余裕もありません。その反動か、再びのきもの熱!余裕ができたら、こんな風に装いたい!とあれこれ想像を巡らす毎日でございます。出産以前は、落ち着いた着物に同系色の帯を合わせて、シックにまとめるのが好きでしたが、最近はピンクや鶸色、黄色など明るい色に惹かれるようになりました。子供ができたことと関係があるのか分かりませんが、似合うものも好みも少し変わってきました。
今、個人的に気に入っているのが、竜巻絞りの長襦袢。橙、鶸、抹茶色など美しい色が揃っています(藤井絞製)黒の大島を着て、袖の振りからチラリと見えたら、きれいだろうなと。
それから、染めの百趣矢野の名古屋帯。水仙のモチーフですが、紫が印象的でとても好きです。グレー地の江戸小紋などに合わせて春の装いにしたら、メリハリが出てきれいだろうなと思います。
以前は選ばなかっただろうピンク地の帯、今はストライクです。こんな自分に出会えるとは思いもしませんでした。年齢、心境、環境の変化に合わせて、ちょっとずつアイテムを増やしていく楽しみがあります。きものって奥が深いですね。来年はこう装いたいとか、次は結城紬にトライしたいとか、先々の目標ができます。きものを着るって、とても前向きなことです。
と、ここまで書いて、前にも同じことを書いたかも…と思い出しました。きっといつも思うことは同じなんですね。きものには未来があります。
今年もあと数日となりました。皆様にとってどのような一年でしたか?
今年は、我々にとって様々な絹に触れた年でした。祖母の代に買っていただいたものも含め、洗い張り、染め替え、お仕立て直し等、加工のすべてを施し以前のものを新しくすることも多く、その度に、畳んでたとう紙におさめる作業が続きました。縮緬という同じ種類の着物でも、シボの厚みによって風合い、重み、染め上がり、すべてが違ってくること、仕立てる手が異なれば、纏った時のシルエットが違ってくること、当たり前のことばかりですが、触れることで改めて絹の奥深さを感じた一年でした。祖母の代のものが今の時代に生きてくること、まさに絹の魅力です。
今年もご縁のありましたお客様に、感謝を申し上げます。来る年もご縁の続きますように。無事に一年を締めくくれますよう、大晦日まで営業しております。