もみじの新芽が、どんどん成長しています。
今年は寒い日が続いたので、例年より一ヶ月ほど成長が遅いのですが、日々、緑が増しております。
毎日、変化が楽しみです。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
「花を見つめて心を求めて」という日めくりのカレンダーがあります。華道池坊の家元、池坊専永氏による、日々のことばが美しい花のイラストとともに載っています。
その中に、ただ生きるのではなく、“生き生き”と生きるという項目があります。ーいけばなの初歩的な、しかも一番大切な事柄は、生き生きとしているということだ。これは、生きているということと深いかかわりがある。生きているーそのことが美しいとは言えない。生き生きとしていてこそ、初めて美しいと言えるのである。
自分は、生き生きと生きているだろうか…。
毎朝、家元の言葉に考えさせられるのですが、このカレンダーを眺めていると、純粋に花を生けてみたくなります。花は、たくさんのことを教えてくれるんですね。
神戸は御影にあります香雪美術館にて、現在、日本画家 堀文子さんの作品が展示されています。
ひとりで生きることを求め、地中海、欧州、米国、中 米と世界を放浪。師匠も弟子も持たない「いのちの画家」は、92歳を迎える今も、自然の姿、命を描き続けています。心に訴えるのは、 その数々の作品だけではありません。心に残る堀さんの言葉をご紹介します。
私は、九十年もの長い間さまよって、やっと少しわかったというか。私は、自分を否定して、自分のことを劣っていると思ってましたか ら、よその世界に憧れて世界中をさまよったのです。自分は日本の生物だったと、そのことがわかるまでに長い時間がかかりま した。
見つかったかどうかは知りませんけど、「青い鳥はよそにはいない」ということがわかったのです。皆さんも「青い鳥は自分のなかにいる」はずです。
展示は、5月5日まで。ご自分の中の青い鳥、探しに行かれてはいかがですか?
初めて訪れた香雪美術館は、大変素敵なところでした。広い庭園には、しだれ桃の花が咲き乱れ、木々も青々と美しく、生命力を感じま す。心を洗いたい時、オススメのスポットです。
炭で火をおこしていると、ピチッピチッという音が聞こえます。炭に火が通ったときの音。聞こえた瞬間、とても嬉しいものです。湯が沸くことへの期待が膨らみます。
お湯が沸いたら、棗の蓋を開けてお茶を点てよう。黒い塗りの棗に、鮮やかな抹茶のグリーンが映えてとてもきれいだから、早く蓋を開けて見たい。炭の音は、次また次への所作を思い、わくわくする音です。
音だけでなく、その香りもまた独特でいいものです。それから、灰の香りも。黒い炭に赤い火がともって、だんだんと灰色に変化する様は、何とも言えず風情があります。鉄瓶の湯が沸く音も楽しみながら、美しい桜模様の棗を眺めながらお客様を待つ時間、心が満たされるようでした。お茶を点てるということは、非常に前向きで希望多きことなのだと感じました。
それにしても、お抹茶ってすごいですね。「お抹茶はいかがですか?」の一声に、大変喜んで召し上がって下さる方の多かったこと!!お抹茶をいただく嬉しさは別格のようです。おかげで、お客様からたくさんの笑顔をいただくことができ、本当に嬉しい企画でした。