炭の香り、炭の音

炭で火をおこしていると、ピチッピチッという音が聞こえます。炭に火が通ったときの音。聞こえた瞬間、とても嬉しいものです。湯が沸くことへの期待が膨らみます。

お湯が沸いたら、棗の蓋を開けてお茶を点てよう。黒い塗りの棗に、鮮やかな抹茶のグリーンが映えてとてもきれいだから、早く蓋を開けて見たい。炭の音は、次また次への所作を思い、わくわくする音です。

音だけでなく、その香りもまた独特でいいものです。それから、灰の香りも。黒い炭に赤い火がともって、だんだんと灰色に変化する様は、何とも言えず風情があります。鉄瓶の湯が沸く音も楽しみながら、美しい桜模様の棗を眺めながらお客様を待つ時間、心が満たされるようでした。お茶を点てるということは、非常に前向きで希望多きことなのだと感じました。

それにしても、お抹茶ってすごいですね。「お抹茶はいかがですか?」の一声に、大変喜んで召し上がって下さる方の多かったこと!!お抹茶をいただく嬉しさは別格のようです。おかげで、お客様からたくさんの笑顔をいただくことができ、本当に嬉しい企画でした。

20100326