昭和54年者

ワタクシゴトで恐縮ですが、今月30歳になりました。こちらの二反の小紋は私と同い年です。昭和54年に祖母が仕入れました。

komon_s54_1.jpg

komon_s54_2.jpg

20年30年あるいはそれ以前の反物が、蔵や箪笥の奥からよく出てくるのですが、その価値が全く損なわれていないことにいつも驚かされます。むしろ、今の時代には更なる価値を持って輝きます。もし自分だったら、長い長い間だれの目にも触れず、存在を認められずにいてそれでも、きちんと「自分」であり続けることができるだろうかと思います。反物はすごいですね。いつもいつも「そのもの」であり続けることができる。時代や流行に流されない芯の強さを感じます。だから本当に美しいのでしょう。

きものの世界には、染色や技法の奥深さから学ぶことも数えきれないほどありますが、その存在そのものから刺激を受けることもまた多くあります。同い年の反物を目の当たりにし、ブレない人間にならなくてはと痛感するばかり。以前は、美しい反物に囲まれていることをただ単純に幸せだと感じていましたが、段々と、その気持ちに責任感やプレッシャーが加わってきました。その責任感といかに向き合って行くかということに、30代のテーマはありそうです。


昭和54年者への2件のコメント

  1. アバター カリブ
    カリブ コメント投稿者

    おめでとうございます♩
    毎年毎年、
    何がおこるか分からないスリリングな毎日を、
    楽しんで過ごしてください★

  2. アバター miccho
    miccho コメント投稿者

    ありがとうございます。毎年毎年、本当に違うんだということをここ数年、痛感しています。一年を過ごすとは、限られた時間を自分で創り上げて行く作業だと思い始めてから、精神的にとても充実してきました。一日一日を大切にしたいですね。