花嫁の衣装

こちらの花嫁衣装は、明治時代のもの。今回の展のポスターになった打ち掛けです。カキツバタとつがいのおしどり、水辺の様子が豪華な刺繍で表現されています。なんと言っても、地色の紅が圧巻。深い深い色に、皆様ため息でした。染料は、何なのでしょうね。現代では出せない色、できない刺繍、ずっと見ていても飽きません。

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こちらは、花嫁が嫁ぎ先に向かう道すがら着た道中着です(明治初期)。紫がかった色がだんだんと薄い鼠になっていく地色が、まずとても美しいですね。手描きの友禅と刺繍を併用し、まさに贅を尽くしたこしらえです。大きな家紋も、すべて手刺繍。ひとつひとつの技に驚きの連続でした。

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こちらは、一番人気のあった打ち掛けです。龍村の唐織り。繭そのものの色が、そのまま残っていますね。いかに上質の繭で織られたものかがうかがえます。織りもさすがに素晴らしい打ち掛けです。横は、ともの長襦袢。まさに紅絹の色、美しいですね。

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どれもこれも豪華ですが、それぞれに雰囲気や作風は異なります。きっと、お召しになるお姫様に似合うように作られたからなんでしょうね。いったい、どんなお姫様だったんだろうという声があちこちで。女心の気になるところは、やはり、そこですね。