藍田正雄ー引き杢ー

長月です。秋の風を感じると、力作秀作が目に心に響きます。

単衣にもお勧めの訪問着、地は江戸小紋、裾回りは鳥獣戯画の友禅という力量のある一枚です。全体的に薄い鼠の濃淡で、サラリと都会的な雰囲気。色々な帯を合わせてみるのですが、やはりこちらが一番しっくりきます。藍田正雄作「引き杢」。

hikimoku

江戸小紋には、他の技法にはない独特の力があるように思います。目に見えない細部の技が、纏った時に自ずと現れ存在感を発揮します。派手にもならず、地味にもならず、着る者に自信と安心感を与えてくれます。纏ってみないと分かりません。この秋は是非、江戸小紋を。