ようやく5月らしくなりました。今日は、ポカポカ暖かい日ですね。もみじもグングン成長し、風に揺れておいでおいでをしています。新緑の手招きを目印に、是非のお越しをお待ちしております。
「コーヒー、きもの」の看板を見つけたら、緑のアーチをくぐってお入りくださいね。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
明日のこどもの日は、忍者ハットリくんのお誕生日だそうです。藤子不二雄A先生の喜寿(77歳)も記念して、氷見の街ではいろいろなイベントが行われます。時間は午前10時〜午後3時。商店街の店では、百円玉1個買える目玉商品が並びます。百円で縁を結びましょう!どうぞ、お見逃しなく!
藤子先生のご生家、光禅寺見学や77キロ体重どんぴしゃ来場者には藤子グッズプレゼントなど、楽しいイベントが盛りだくさん。忍者ハットリくんスタンプラリーの受付は、海鮮館でどうぞ。海鮮館→光禅寺は無料ニンニンタクシーが随時運行します。
お近くまでお越しの折には、きものの館絲穂にも是非お立ち寄りくださいませ。そろそろアイスコーヒーの美味しい季節です。
土曜日に書いた、武田百合子についてもう少し。
彼女の名前が世に出るきっかけになったのが、夫の泰淳との、富士山のふもとの別荘での日々を綴った『富士日記』(上・中・下)によってでした。富士での生活を記録しておけばという夫の言葉に促されてつけ始めた日記は、昭和39年9月から、夫が入院する昭和51年9月まで断続的に書き綴られました。夫の死後、ある雑誌にこの日記が掲載されて反響を巻き起こし、最終的には文学賞を受賞しました。
もともと公開を前提としていなかった日記ですから、本当に日々の淡々とした記録、たとえばその日その日の食事のメニュー、夫や山荘の周囲の普通の人びとの言動、世間を騒がせているニュースに関する感想、近くの山荘に時々滞在していた作家大岡昇平とのやりとりなど、ほとんどが他愛のない記述ばかりです。でも、それなのに、今まで何度読み返したことか。
作家泰淳の日常をのぞき見るという好奇心もはたらくのかもしれませんが、それ以外にも、日常の様々な場面や側面に関して、通常では思いもつかない感想をもらす彼女の視点と文体に、魔力があるのかもしれませんね。このような力は、訓練しても身に付くものではないでしょう。天性としか言いようのないものだと思います。
ある女性雑誌を読んでいて、たまたま小さなコラムに目が留まりました。漂流、放浪の女流作家、というようなテーマで、何人かの日本の女性作家の作品を紹介していたのですが、その中の一人に、武田百合子の『遊覧日記』が含まれていました。
夫(武田泰淳)を亡くした後の生活の中で、写真家の娘と東京都内を「漂流」しながら、その時の経験をまとめたものなのですが、彼女独特の視点からつむぎ出される文章は、 単なる身辺雑記を超えて、芳醇な散文詩のような味わいをもっています。さらりと読めますが、読後に、心の中に透明な結晶を残すような感じですね。
新年度を迎えて、何かと気忙しい日々が続いていますが、そんな週末に、こういう本をじっくりと味わいたいものです。
毎年4月1日のエイプリルフールになると、インターネット上でも、各サイトがいろんなイタズラを仕掛け、訪れる人たちを楽しませたり、惑わせたりするのですが、今年は特に国内のサイトでは、震災の影響のせいか、こうしたイタズラを自粛するケースが目立ったようです。
そんな中で、Google Japanの「ウソ」が実に気が利いていたように思えました。「今年のエイプリルフールは来年に延期になりました」。たったこれだけですが、エイプリルフールの趣旨を活かしつつ、誰も傷つかない洒落たウソをつくという姿勢がよかったと思いました。Googleは今回の震災に際して、地震が起こった2時間後に早くも安否確認の特別ページを起ち上げたりなど、通常のネットサービスとは違った視点から、震災復興の支援を行なっています。
4月1日のGoogleのホームページでは、もう一つ小さなウソをついていました。それに関してはこちらをどうぞ。
今日は4月1日、学校や企業では新しい年度が始まる日ですね。
考えてみれば日本は、1年という期間に関しては、2つの時間軸を使い分けて生活しています。1月1日から始まる1年と、4月1日から翌年3月31日までの1年です。諸外国でも、9月1日が入学や新学期開始のシーズンであるところは多いですが、企業の入社、あるいは会計年度の開始などまでも、同じ日に始める国というのは、かなり珍しいのではないでしょうか。
寒い冬を脱した春に新しい生活に入り、活気あふれる夏へと進んでいくという季節感は、死(冬)→再生(春)→成長(夏)→実り(秋)という神話のサイクルともぴったりと合っています。4月1日からの1年は、生のリズムに根ざした1年だということができるでしょう。春は生まれ変わりの季節なのです。
春物の装いを身にまとうというのも、単に気候の変化に合わせる以上の、様々な象徴的な意味も含まれるのかもしれませんね。
氷見の春は、今年はもう少し先のようですが、それでも確実に空気の中にその前触れを感じることができます。今日から新しい生活に入るみなさんのご多幸をお祈りしております。