• カテゴリー別アーカイブ あれこれ
  • 喫茶去

    数日、暖かい日が続きました。

    雪解けて、残るは折れた木と枝ばかり。駐車場の掃き掃除に暮れました。

    今日は雨。今も強く降っています。

    まだ20代だった頃、お茶のお稽古に伺うと、床の間に「喫茶去」の掛物。お茶でも一服いかがですか。という意味だと、その時初めて知りました。三文字の潔さが印象的で、以来ずっと好きな言葉です。

    なぜか今日は、ふと「喫茶去」を思い出しました。

    お抹茶も点ててみました。

    サロンスペースには、黄色のスイートピ。

    二階には、庭に咲いた椿。

    お手洗いのお花も、今日は気に入っています。

    BGMはアマポーラ。

    おもてなしの初心に返ります。喫茶去。


  • 重陽

    今日は重陽、菊の節句です。

    古来中国では、菊の花からしたたる露が川に落ち、その水を飲んだ者が長寿になったという伝説がありました。

    それが平安時代に日本に伝わり、以来、不老長寿を願い邪気を払う日となったそうです。

    さて今の床の間です。掛け物は馬師皇(馬を治療し竜に変える中国伝説のお医者様)

    シルクロードと共に。

    エントランスには、美しい月の帯を。

    シルクロードを渡って、今日は素敵な伝説が生まれそうです。

    心に菊を想い描きながら。


  • 朝のリレー

    桜は散りましたが、もみじの葉は次々と開き、春真っ盛りであることを自然は教えてくれます。

    心の晴れない毎日でも、朝がやってくることの有り難さを感じながら、心が折れないように、折れても何とか立ち直れるよう、でも無理しないように。

    清しい朝を連想させる、東京友禅の着物を広げてみました。

    谷川俊太郎さんの「朝のリレー」と共に。

    朝のリレー

    カムチャッカの若者が

    きりんの夢を見ているとき

    メキシコの娘は

    朝もやの中でバスを待っている

    ニューヨークの少女が

    ほほえみながら寝返りをうつとき

    ローマの少年は

    柱頭を染める朝陽にウインクする

    この地球では

    いつもどこかで朝がはじまっている

     

    ぼくらは朝をリレーするのだ

    経度から経度へと

    そうしていわば交替で地球を守る

    眠る前のひととき耳をすますと

    どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる

    それはあなたの送った朝を

    誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

     


  • 入学式へ

    晴天に恵まれた7日、小学校の入学式が行われました。

    同級生が二人同時に、晴れの日を迎えました。

    お嫁入りの時に誂えてくれた訪問着を、久しぶりに見ることができました。

    こちら、霞模様だけのシンプルな訪問着です(染の百趣矢野)

    黒地の帯でキリリと。お草履にも注目です。

    こちらは、古典柄を控えめに配した訪問着です。帯も、笹蔓や藤など古典柄を織り出して。是非、永く愛して下さい。

    コロナ渦のさなか、心を救われるような嬉しい報告でした。

    おめでとうございました。


  • ゴールドを効かせて

    今日から四月です。

    様々な集まりがなくなり、トキメキの少ない春ですが、心が折れないよう、美しいものの力を借りたいと思います。

    エントランスには、さくらの新作お草履を。前ツボの水色と、鼻緒のゴールドが装いにパンチを与えます。

    二階、有職雛は4日までです。お客様皆さまから、華やかなお心遣いを頂き、こちらは春爛漫です。

    個人的にお気に入り、男前の右大臣を眺められるのも、あと数日です。