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  • アールヌーヴォーの着物、etc、etc

    さて今日は、私が個人的に好きだった着物や作品をご紹介します。こちらのゾーン。一番左の着物、まさにアールヌーヴォーの世界!色合い、柄、なんと美しいのでしょう!そのままエミールガレのガラスになりそうですね。特筆すべきは、赤の刺繍でしょう。花やトンボの赤に、ハッとします。

    お隣は、絽の四つ身です。当時は、子供の着物も落ち着いた色合いのものが多かったようですね。それもひとつの発見でした。

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    こちらは、明治大正期の裂を額に収めたもの。数十点がずらりと並びました。どれもこれも特徴的で、染織の辿ってきた道を想像します。個人的には、右の額が最も印象に残りました。青の部分は、藍色なんですって。今は一般的に、藍というともっと濃い色を連想しますが、その昔はこれが藍色だったのかと、時代の象徴としての色をうかがえますね。

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    こちら、祖母が原寸の三分の一に縮小して作ったミニチュアきものです。時代裂で作られたたくさんの作品は、宝物です。赤や紫など、鮮やかな裂の作品も多数ありますが、個人的にはしっかりした縮緬の、渋めの色合いのものが好きです。以前から、よく床の間や玄関に飾りインテリアとして楽しんでいましたが、今回の展示会を機に、歴史的価値もきちんと認識し直しました。

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  • 花嫁の衣装

    こちらの花嫁衣装は、明治時代のもの。今回の展のポスターになった打ち掛けです。カキツバタとつがいのおしどり、水辺の様子が豪華な刺繍で表現されています。なんと言っても、地色の紅が圧巻。深い深い色に、皆様ため息でした。染料は、何なのでしょうね。現代では出せない色、できない刺繍、ずっと見ていても飽きません。

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    こちらは、花嫁が嫁ぎ先に向かう道すがら着た道中着です(明治初期)。紫がかった色がだんだんと薄い鼠になっていく地色が、まずとても美しいですね。手描きの友禅と刺繍を併用し、まさに贅を尽くしたこしらえです。大きな家紋も、すべて手刺繍。ひとつひとつの技に驚きの連続でした。

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    こちらは、一番人気のあった打ち掛けです。龍村の唐織り。繭そのものの色が、そのまま残っていますね。いかに上質の繭で織られたものかがうかがえます。織りもさすがに素晴らしい打ち掛けです。横は、ともの長襦袢。まさに紅絹の色、美しいですね。

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    どれもこれも豪華ですが、それぞれに雰囲気や作風は異なります。きっと、お召しになるお姫様に似合うように作られたからなんでしょうね。いったい、どんなお姫様だったんだろうという声があちこちで。女心の気になるところは、やはり、そこですね。


  • ご来場ありがとうございました

    3日間続いた染織展には、200人余りの方がお越し下さいました。梅雨空の下、本当にありがとうございまいした。フリーの方もいらっしゃいましたが、ほとんどがご案内をお送りしたお客様でした。足をお運び下さる皆様のお気持ちに、大変感謝をした3日間でした。

    素敵なアレンジをいただき、華やかなスタートです。

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    入り口には、明治や大正期の打ち掛け、道中着などの大作を展示。奥に進むと、留袖、四つ身、振袖、それから時代裂を額装した作品が多数並んでいます。今週は、人気のあった着物や作品を取り上げて、会の様子を毎日アップして行きます。

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    18年前に初めて、祖母と染織家の先生がこれらのコレクションを高岡の文化ホールで発表しました。中央の大きなテーブルでは、皆様当時のアルバムをご覧下さり、いろいろな思い出を楽しんでいらっしゃいました。

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    18年前、私は中学生。何が行われているのか、まったくピンともきていませんでしたが、今回初めてコレクションを目の当たりにし、またお客様との長いご縁を感じ、大切にしていくべき様々なことを考えさせられました。祖母が与えてくれたチャンスでしょう。奇しくも、18年前の会は7月の4、5、6日。日付けまで当時と重なります。初日は、当時祖母が着ていた着物を母が着て、母の着物を私が着ました。


  • 夏結城の訪問着

    今日から7月です。盛夏の正装のための、とびきり素敵な訪問着をご覧に入れましょう。夏の結城紬。染の百趣矢野の逸品です。糸菊をモチーフにした模様が、淡く美しい地色に映えます。

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    菱文様の袋帯を合わせてみました。帯揚げ、帯締めを白ですっきりまとめて。夏は、観世の帯締めも夏用を。

    年代を選ばない着物ですから、帯の雰囲気次第で長くお楽しみいただけます。盛夏も正装でバッチリ決めたいという方に、是非おすすめの一枚です。

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  • 夏の塵よけ

    お茶のお稽古の帰りにお立ち寄り下さったお客様。今日は、爽やかな印象の生紬を纏って。塵よけの黄色がとても美しいですね。夏こそ、羽織ものを。ぼんやりと見える帯が、とても気になります。。。!! 左手にお持ちなのは、昨日ご紹介しました、籐のバッグです。お稽古にはベストの大きさです。

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  • 贅沢な小紋を纏って

    お着物が大好きなお寺のお嬢様です。よく、お着物でお見えになります。この日は、すべて手描きのとても贅沢な小紋を纏って。黒地の帯で、ちょっと粋な雰囲気に。いつも半巾帯をとても上手くこなされ、きっぱりとした印象のお嬢様です。

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    お着物でお越しいただくと、店内がとても華やいできれいですね。我々も大変嬉しいです。皆さま、それぞれにテーマを持ってスタイリングされているので、本当に素敵です。自分はこうありたいという確固たるイメージ、テーマがあることはとても大切です。そして、TPO に適っていること。そのバランスの取り方が、皆さまそれぞれに美しいですね。


  • 蝶の帯を締めて

    いつもお着物でお越し下さる、富山のお客様です。藤井絞の蝋たたきの色無地に、印象的な蝶の帯を締めて。すっきりと、初夏の雰囲気です。

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    帯締めの鮮やかな色が、目を引きますね。上品な可愛らしさのあるバッグを合わせて、トータルにコーディネートされています。

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  • ホタル絞りを纏って

    先週、お茶会の帰りにお立寄り下さったお客様です。藤井絞のホタル絞りの小紋に、鷺草の帯を合わせて。単衣らしい、すっきりとした装いです。

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    紺色の帯締めが、同系色のコーディネートをピリリと引き締めます。美しいですね。袖のふりからのぞくのは、襦袢の麻の葉模様。何とも憎い取り合わせです。


  • 絽の色留袖

    今月の後半は、5月とは思えない肌寒い日が続きました。いつもなら、とっくに単衣を着ている時期なのに、いつまでも袷が手放せない状態でした。

    そんな中、夏の結婚式に出席されるというお客様が、絽の色留袖をお求めにいらっしゃいました。絽の留袖とは、本当に贅沢ですよね。そして贅沢なものは、とってもとっても美しい! 我々も、贅沢で美しい時間をじっくりとご一緒させていただきました。気温は低いけれど、心はひと足お先に夏モード。

    明日から始まる6月は、単衣や薄物を思う存分楽しめる気候になって欲しいと願うばかりです。