千代に八千代にー譽田屋源兵衛さんを訪ねてー

先週は、譽田屋源兵衛さんの展示会へ。今回のテーマは「千代に八千代に 継ぎにしもの」。譽田屋さん発祥の地、譽田八幡宮の千七百年紀を迎えて、吉祥の起源である聖数「八」をいろいろに帯で表現した会でした。末広がりを意味する「八」は、日本人にとって大きな意味を持つ数字ですね。
印象的だったのが、和歌の始まりであり出雲の国の起こりとされる「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」テーマに八雲を織り出した帯。雲は、八の字のような形でもくもくと上昇するので、更に発展するという意味です。糸の微妙な色合いと相まって、とても厳かな雲がそこにありました。お見せできないのが、残念です。
それから、蜂が八匹、織り出された帯。八角形のハチの巣も、周りにびっちりっと…。ハチ尽くしの帯でございます。白地に、蜂がとってもキュートに織り出されていて、お洒落にもセミフォーマルにも着回しのきく素敵な帯です。名古屋もありますので、興味のある方は絲穂にお出かけ下さい。イメージをお見せ致します。
次代に継ぐべききもの文化ですが、上っ面だけが先行しがちな今だからこそ、きちんと文化の底にあるものから伝えて行かなければなりませんね。日本人が継いできたものを、ゆっくりと時間をかけて。譽田屋さんに伺うと、呉服に携わる者の役割を改めて考えさせられます。