今夏、男の子が誕生され、節目に正式のお着物を揃えられたお客様がいらっしゃいます。贅沢なお誂えを、少しご紹介します。
加賀は手描き友禅の四つ身一式。着物とお揃いの羽織も、素晴らしいですね。
鱗模様の襦袢は、何とも言えない素敵なお色です。袴ももちろん別注ですが、ここでは勿体なくて、全部お見せできません。
いつか、成長された男の子が、一揃えを纏う日がやって来た時に…。
お楽しみは取っておきましょう。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
今夏、好きでよく組み合わせました。鮮やかな水色の夏大島と、芭蕉布。ここで大活躍したのが、麻素材の紺色の帯揚げです。紺という色だけでなく、麻の素材感が、大島の水色と芭蕉布のベージュ系をうまく調和させました。着物も帯も織物の場合、帯揚げは縮緬のような柔らかい素材にするよりも、麻など少しざっくりした素材を合わせると、全体がまとまるようですね。ほんの少ししか見えない帯揚げですが、色だけでなく素材選びもコーディネートの重要なポイントです。紺色は、困ったときのお助けアイテム。着物と帯の色がケンカしそうになったら、紺色を合わせてみてください。それから、グレーも中和色に最適です。
「裏管理人」です。
関西在住ですので、ふだんはもちろん絲穂にはいませんが、夏と春先の年に2回くらいは氷見に行き、いるでもなくいないでもなく、風にようにと言うか亡霊のように、絲穂の中をゆらゆらしています。あくまでも「裏」管理人なので、店内で漂っているときも、絲穂の営業と売り上げの邪魔にならないよう、いらっしゃったお客様と直接話すことはほとんどないのですが、ごくまれに仕事(呉服とはまったく関係がない裏管理人の本業)に関連してお話させていただくことがあります。
先週氷見に潜伏中に、そのような話をさせていただいた方から、「チューリップの花びらやき」というお菓子をいただきました。なんでも、砺波市内で販売されているお菓子なのだそうです。カステラ生地の中にあんこや白あんを入れて焼き上げています。残暑の中でも、熱いお茶をすすりながら食べたい、あとをひく味です。お心遣い、本当にありがとうございます。
その時の話の続きになりますが、ごくごく私的なメッセージを。
与えられるのを待つのではなく、何かを求めて自発的に動くという、受け身から能動への姿勢の変換によって、同じ環境に4年間身を置いても、結果は全く違うものになると思います。ワープロソフトと同じかもしれません。ただ単に文字を打ち込んで素っ気ない書類を作るだけという人もいるでしょう。あるいは、ワープロソフトがもっている機能をあれこれ引っ張り出し、文字の色、大きさを変え、画像を貼り付け、動画も貼り付けてみたり、音声ファイルの読み込みをしたりして、より華やかで見栄えのする「立体的な」文書ファイルを作成する人もいるでしょう。同じソフトを使っても、そのソフトがもっている可能性としての機能を引きずり出すかどうかは、使用者の心構え次第です。充実した文書ファイルを作るにはどうしたらいいのか?と考えてみると、それだけで周囲の世界が変わって見えるかもしれません。自分の視点の置き方次第で、周囲を違った世界に変えてしまうような能力を身につけることが、これから求められることなのだと思います。
かつて料理旅館だった誉一山荘が、オーベルジュとして生まれ変わりました。三國清三シェフ監修のフランス料理が楽しめます。氷見の食材と、一流シェフの技のコラボレーションに興味津々です。誉一山荘からの美しい景色も、ご馳走ですよ。三國ファンとしては、今一番の関心事。早く行ってみたいですねぇ。