• 本疋田絞りとは

    写真右下の白い生地、細かい無数の点々がびっしり並んでいるのがお分かりですか?

    ひとつひとつの粒を、すべて手作業でひとりの女性が絹糸で括ります。本当に、気の遠くなるような作業です。

    これを染め、括った糸をほどくと、先にご紹介しました黒の訪問着の裾にあるような小さい粒が柄として出来上がります。

    こちらは、すべて本疋田絞りのお振袖。

    圧巻です。


  • どちらも、桶染め絞りの作品です。

    左の振袖は、大胆に染分けられた桶染めらしい一枚ですね。

    右は、吉祥柄の「雲取り」と呼ばれる文様を染分けた作品です。

    同じ技法でも、それぞれまったく違う個性を持っていて素晴らしい。

    まさに、日本人ならではの感性ですね。

    染料に「浸けて」染める絞り染めには、ひとつの色に奥行きがあるので、つい見入ってしまいます。


  • 桶染め絞りの桶です、これが。

    桶染め絞りとはその名の通り、桶を使って色を染分ける絞り染めのことです。

    桶の中に染めない部分を入れ、染めたい部分を外に出し、蓋をします(写真の状態)。このまま染料の中に浸けます。

    蓋をしたところに、茶色に染まった部分がありますね。染め職人さんの手元から戻ってきたばかりの桶です。

    生地を桶に仕込む職人さん、染める職人さん、それぞれの作業に専門の職人さんがいらっしゃいます。一色染める度に、ふたりの職人さんの間を桶は行ったり来たりすることのなりますので、桶絞りの場合、色数が多いほど手間や高い技術を要することのなります。

    ちなみに、桶絞りの桶だけを専門に作る職人さんもいらっしゃいます。たった一枚の着物に、たくさんの職人さんの技術が集合している訳です。

    桶絞りの特徴は、大きな面積を染分けること。29日にご紹介しました振袖の牡丹、葉の輪郭などがそうです。

    他にもいろいろなデザインがありますが、それはまた明日。。。


  • 着物を着るということ

    当店では、いわゆる着付け教室というものは設けておりませんが、お客様の方でひとりで着物が着られるようになりたいというご要望があれば、その方のご都合を優先しながら着付けを実践しています。25日にお越しになったお客様も、そのうちのお一人なのですが、すっかりご自分のラインを確立されています。

    人それぞれ、顔立ちも体型も手足の長さも違いますので、当店では、その方の雰囲気に合った着方を第一に考えております。

    私たちにできるのは、身に着ける順番、ポイントをお伝えすることだけ。そのあとは、お客様ご自身に何回もお召しいただいて、慣れていただきたい。絲穂でのステップアップ。初めてひとりでお召しになった日は、まず一階の喫茶で「着物でお茶」を楽しんでいただいています。

    次の時は、松葉すしさんやボーノ•ペッシェさんへお食事に行き「着物で歩く、お食事をする」ことを通して、自然に着物に慣れていただいております。

    このように、氷見市丸の内の立地条件を活かしながら、お客様との交流を深めながら「着物を着る」ことを進めておりますので、着付け教室という枠を設けることができないのです。

    それからもうひとつ。着付けはその昔、代々その家々で母から子へと自然に伝えられたものでした。今では、家族の在り方や社会的背景が随分と変化したために、それは難しいことなのかもれませんが、やはり基本は「自然に伝えられるべきもの」だと思います。先生と生徒の関係でなく、人と人として関係を作りたい、絲穂をもうひとつの「我が家」のように感じていただける場所にしたい。そういった想い、すべてひっくるめて着物を着ることだと思っているからです。


  • 美しき黒の世界2

    黒地の小紋。きっちりとした手描き友禅の作品。

    お茶席などに、ぴったりです。

    小紋と言っても柄と柄の間隔が大きいので、無地感覚でお召しいただけます。

    例えば、写真のような黒地の袋帯を合わせると、とても改まった装いになります。