月の美しい季節です。
満月と新月をモチーフにした暖簾です。惹かれます。
さて長年、喫茶スタッフとして勤務された禅野さんは、本日で最後となります。今月末に、自宅でサンドイッチのテイクアウトのお店を始めます。当店ではサロン空間はそのままに、コーヒー、紅茶などの喫茶メニューは続けて参ります。
初心、新月のスタートです。美しい満月となりますよう、皆様に心を運んでいただけますよう、今後とも宜しくお願い致します。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
長月です。秋の風を感じると、力作秀作が目に心に響きます。
単衣にもお勧めの訪問着、地は江戸小紋、裾回りは鳥獣戯画の友禅という力量のある一枚です。全体的に薄い鼠の濃淡で、サラリと都会的な雰囲気。色々な帯を合わせてみるのですが、やはりこちらが一番しっくりきます。藍田正雄作「引き杢」。
江戸小紋には、他の技法にはない独特の力があるように思います。目に見えない細部の技が、纏った時に自ずと現れ存在感を発揮します。派手にもならず、地味にもならず、着る者に自信と安心感を与えてくれます。纏ってみないと分かりません。この秋は是非、江戸小紋を。
まもなく8月が終わります。この夏の思い出は、青虫のさなぎが羽化したことでしょうか。
自宅の前に植えた花の葉に、産みつけられた卵。数日後に大きな青虫がくねくねと。ひたすら青い葉を食べ続け、数日後、さなぎになりました。「はらぺこあおむし」の歌の通り、「さなぎになって何日も眠り」ある瞬間、虫箱の中で大きな羽根を広げていました。その時の感動と言ったら!
羽化したらお空に放してあげようと言う約束通り、息子と虫箱の蓋を開け「元気でね〜。」自由に飛んで行く姿に、嬉しさと少しの寂しさが混ざります。夏の終わりは、何だかいつもこんな気持ちになります。美しいアゲハでした。
変身するために食べて食べて、養分やパワーを蓄え、じっくり休む。成長すること、生きることの根本的なことを見せてもらいました。
普段は大阪在住、今はお盆で氷見に滞在中の裏管理人です。昨日は氷見のイタリアン、ボーノペッシェさんへ。でもメインはカレーを食べました。
ライス、パスタから選べるとのことでしたので、両方取って食べてみました。写真でもわかるように、ちょっと見ではトマトソースみたいですが、香辛料の香りが鼻をくすぐります。辛みは全くといっていいほどなく、日本のカレーともインドのカレーともコンセプトがまるで異なるものでしたが、これが本当に美味しかったです。
たとえば、家で作ったカレーやレトルトカレーをごはんではなく、ゆでたパスタにかけて食べてみるとわかるのですが、不思議なことになんだかひと味足りない。ごはんと食べると美味しいのに、同じカレーをパスタにかけると、何だか味がボケてしまうことが多いです。でも、昨日のボーノペッシェさんのカレーはさすがで、ライスでもパスタでも、どちらも味が濃厚でしっかりとしていました。4歳の息子が、パスタもライスの両方をむさぼるように食べていました。
今月いっぱいは夏のカレーで、来月からまた違うレシピのカレーになるそうです。秋のカレーも試してみたいです。


気温が落ち着き、過ごしやすくなりました。久しぶりに、野口の染め帯を出してみました。葡萄を上品に優しく表現したもので、グッと心を捉える力量があります。
前は、円の模様。締めると半円になるモダンさです。葡萄の蔓のイメージは続きますので、全体として「成る」「広がる」「繁栄する」意味合いになります。ちょっとしたお祝いの席にも、ぴったりです。
格通しの江戸小紋と合わせました。秋単衣に、濃いお色目の江戸小紋は大変すっきりと映えます。