店内のほぼ中央に位置する、こちらの柱。子供という子供は、みんなよじのぼります。かく言う私も、コアラのぼりをしたものです。指紋だらけになりながら、子供たちの成長を見守るこの柱。華奢なようですが、この柱で視界が遮られることもしばしば。視線の先が気になり、近くまで行ってお目当ての品を手に取りたくなるもの。見えないことで、一枚のチュニックもより魅力的に映るようです。
陰の力持ちのような存在。数十年、愛着のある柱です。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
今は皆さまにとって、どのような一年でしたか?
ワタクシゴトですが、育児を始めて3年目、気がつけばとてもポジティブになっていました。初めの頃は、戸惑ったり、上手く行かないと凹んでばかり、感情のコントロールもできませんでしたが、マイナスの感情はさっさと忘れるよう努めました。息子は私の幼少期とは性格も行動パターンもまるで違い、それ故に理解しがたとばかり思っていましたが、そもそも息子は自分とは別の人格であることを受け入れると楽になりました。また、違うが故に新しい発見や新しい人との繋がりが生まれることも嬉しいことです。苦手だった運転も積極的にできるようになり、知らない道も進めるようになりました。どうにかなると思えるようになったことが一番の収穫です。
小さい頃から、祖母とお客様との会話の中に、生きていると良いことがあると何度となく耳にしました。今までできなかったことができるようになるなんて、日常の些細な変化ですが、もしかしてこんなことが、その言葉の意味なのかなと思いました。
そこには勿論、まず人と人とのご縁ありき。家族、友人、お客様、目には見えない繋がり、すべてがあって「良いこと」になるということも再確認した一年でした。自分だけの力では、できなかったことばかりです。
美しい青空が見えます。今年も残り僅かとなりました。
来年に向けてのご予約は、清々しい水色が人気です。
上品なブルーグレー地に、菊が抽象的に描かれた付下げ。茶道のお集まりに、お単衣にお仕上げします。袋帯は名門、勝山織物。こちらは、どなたかのご予約をお待ちしています。
こちら、加賀友禅作家、成竹登茂男氏の訪問着。初釜にお召しです。加賀には珍しく、柄行き、色数が控えめでモダンな雰囲気が漂います。春らしく瑞々しい一枚です。
近頃は、ブルーグレーをお好みの方が多くなりました。ブルーグレーと言っても濃淡は様々で、微妙なところでお顔映りも変化します。色の奥深さを勉強させられます。