• 未来を感じて

    はや立春です。北陸とは思えない穏やかな大寒でした。ありがたいような、怖いような一月でしたが、皆さまいかがお過ごしでしたか?

    さてワタクシゴトではございますが、ただ今育児の真っ最中。とても着物に袖を通す余裕もありません。その反動か、再びのきもの熱!余裕ができたら、こんな風に装いたい!とあれこれ想像を巡らす毎日でございます。出産以前は、落ち着いた着物に同系色の帯を合わせて、シックにまとめるのが好きでしたが、最近はピンクや鶸色、黄色など明るい色に惹かれるようになりました。子供ができたことと関係があるのか分かりませんが、似合うものも好みも少し変わってきました。

    今、個人的に気に入っているのが、竜巻絞りの長襦袢。橙、鶸、抹茶色など美しい色が揃っています(藤井絞製)黒の大島を着て、袖の振りからチラリと見えたら、きれいだろうなと。

    tatumaki

    それから、染めの百趣矢野の名古屋帯。水仙のモチーフですが、紫が印象的でとても好きです。グレー地の江戸小紋などに合わせて春の装いにしたら、メリハリが出てきれいだろうなと思います。

    suisen

    以前は選ばなかっただろうピンク地の帯、今はストライクです。こんな自分に出会えるとは思いもしませんでした。年齢、心境、環境の変化に合わせて、ちょっとずつアイテムを増やしていく楽しみがあります。きものって奥が深いですね。来年はこう装いたいとか、次は結城紬にトライしたいとか、先々の目標ができます。きものを着るって、とても前向きなことです。

    と、ここまで書いて、前にも同じことを書いたかも…と思い出しました。きっといつも思うことは同じなんですね。きものには未来があります。


  • 芽吹きの装い

    わらびと牡丹をあしらった、本格的な訪問着、ただ今展示場にてご覧いただいております。鼠茶の地色も美しく、存在感のある一枚です。袋帯は西陣、織楽浅野の「春花唐草」。光の当たり具合で文様の表情が生きてきます。白の可能性を感じます。

    warabi

    お履物は京都さくら製。グレーがかった茶を基調に、シンプルに仕上げました。芽吹きの装い、いかがですか。

    hakimono


  • 春迎えの小物

    寒い毎日が続きますが、店内は少しずつ春迎えの雰囲気に。

    定番、お雛様のタペストリー、可愛らしい表情をお楽しみ下さい。

    tape

    倉田たまえ作 飾り雛 小さいけれど存在感は抜群です。

    tamae

    クローバーのタペストリーはいかがでしょう。同じモチーフの暖簾が、とあるケーキ屋さんにかかっています。ハットリ君のカラクリ時計のすぐ近く、ロールケーキの美味しいファクトリーに行かれた際には、是非ご覧下さいませ。

    green


  • 織楽浅野ー印度花金襴ー

    ただ今のエントランスです。織楽浅野の印度花金襴。白を基調にした上品な名古屋帯です。光の具合で、文様の存在感を楽しむことができます。黄色がポイントです。帯締めは、二色遣いの平組。新シリーズです。

    india

    前庭を臨むスペースでは、安土桃山時代の図案をモダンに表現した袋帯をご覧いただいております。「辻が花祥」、クラシカルな雰囲気が人気です。

    show


  • 成人の日を前に

    成人の日を前に、前撮りをされるとのことで、お立寄り下さいました。古典的な雪輪柄を上品に表現した、美しいお振袖です。地色の紅がとても印象的で、染めの良さが出ています。巷でよく見かける「赤の振袖」とは趣が異なります。帯は、お母様がご結納された際にお持ちになったもの。着物との相性はぴったりです。帯締め、帯揚げは鶸色で統一し、ポイントのある装いに仕上げました。

    yukiwa

    お客様のリクエストで、髪飾りの組紐もすみ黒で別注致しました。伝統はそのままに、モダンな色合わせのトータルのコーディネートです。

    sumikuro

    新年より、親子揃っての晴れ着姿でのお出かけ、本当に嬉しかったです。


  • 新年の店内

    今年も営業がスタートしました。3日にはたくさんの皆様にお越しいただき、賑やかな新年を迎えることができました。感謝致しております。

    店内、カウンターには西王母。

    peach

    二階へ上がると、立派な枝振りのロウバイがお出迎え致します。甘く美しい香りが漂います。

    yellow

    床の間の掛け物は、日の出。青磁の壷には、おたふく南天、千両、啓翁桜が彩ります。華やかなスタートです。

    hinode


  • 今年もあと数日となりました。皆様にとってどのような一年でしたか?

    今年は、我々にとって様々な絹に触れた年でした。祖母の代に買っていただいたものも含め、洗い張り、染め替え、お仕立て直し等、加工のすべてを施し以前のものを新しくすることも多く、その度に、畳んでたとう紙におさめる作業が続きました。縮緬という同じ種類の着物でも、シボの厚みによって風合い、重み、染め上がり、すべてが違ってくること、仕立てる手が異なれば、纏った時のシルエットが違ってくること、当たり前のことばかりですが、触れることで改めて絹の奥深さを感じた一年でした。祖母の代のものが今の時代に生きてくること、まさに絹の魅力です。

    今年もご縁のありましたお客様に、感謝を申し上げます。来る年もご縁の続きますように。無事に一年を締めくくれますよう、大晦日まで営業しております。