有職雛

今年も我が家の有職雛が揃いました。京都、田中人形製。

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衣裳はすべて人間国宝 喜多川平朗氏によるもの。時を経る毎に増す染色の落ち着きや織りの風合いから、その手仕事の素晴しさを感じます。

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今から30年前、このお人形たちは縁あって我が家にやってきました。幼い頃は毎年この時期になると、いつの間にか大人たちの手によってこのように段々に並べられ、いつの間にか仕舞われていました。時が経ち、この頃は自分も人形たちをひとりひとり箱から出し、また箱に仕舞う作業に関わるようになると、自然に思い入れも変わってきました。「縁があって」我が家に来てくれた不思議、今もひとつも損なわれることなくある不思議、こうして今年も無事に段に並んでくれた不思議を思うと、当たり前のようにあることどもは決して当たり前でないと感じるようになりました。今月は、有職雛とともに皆様をお待ち申し上げております。

※「有職」=「ゆうそく」(←無知な「裏管理人」によるコメント)