少し遅くなりましたが、有職雛を出しました。今年は男雛と女雛を代表で。衣装は、有職織りの人間国宝、故 喜多川平朗氏の作品です。非常に繊細な糸で織られ、染色もこっくりと深く美しいものです。ふっくらと上品なお雛様のお顔とともに、是非ご縁を結んで下さい。今月末までです。
お軸は、友禅染めを生み出した、宮崎友禅斎の原画。桜と春告げ鳥、友禅斎の息吹をお楽しみ下さい。江戸時代の作品です。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
久しぶりに氷見のことを。近頃のマイブームです。白エビかき餅。白エビの程よい塩加減が絶妙です。やめられない、とまらない。とにかく、いちどご賞味あれ。
それから、金谷さんの氷見うどん。以前にもご紹介しましたが、再び。そのまま、お出汁でいただいてもよし、トマトソースに絡めてパスタにしてもよし、ソース味で焼うどん風にしてもよし。ソフトですが、コシがあって本当に美味しいです。ワタクシゴトですが、子供の離乳食にもよく使っています。
どちらも、中央町商店街にあります、海産物の堀与商店さんにてお求めいただけます。潮風ギャラリーのお隣りです。干物や海産物はもちろん、スナック類など氷見ならではのお菓子も充実。朝のうちに売り切れる、北海道産のシャケの切り身も、抜群のお味です。
引き続き、絞りのご紹介。今日はちょっとカジュアルな一反を。雪花絞りの夏着尺、いわゆる浴衣ですが、きちんと襦袢を着て足袋を履けば、お茶会やお食事会など、セミフォーマルのシーンにも活躍する着物です。夏の小紋と言いましょうか。とりあえず、夏物を揃えたいという方におススメです。ゾウさんの柄の甚平は、子供用。紅梅織りの、人気シリーズです。
雪の花のような絞りは、このように生地を畳んで染めます。板締め絞りの一種で、畳んだ生地を開いてみるまで仕上がりが分からず、一回いっかいが真剣勝負の技法です。雪花絞り、覚えておいてくださいね。
絞りと言っても、その染め技法は実に様々。こちらの訪問着は「帽子絞り」と呼ばれる技法で地色と柄の部分を染め分けたもの。小さい面積を染め分ける時の技法です。防染する括りの時に、帽子を被ったようになるので「帽子絞り」。帽子にも、大きさがいろいろあるんです。面白い!!是非、お二階で絞りの様々をお楽しみ下さい。
千鳥の柄が控えめにあしらわれている、こちらの着物は絽です。地色の生成りと黒のコントラストで、すっきりとした一枚。市松模様がお洒落な紗の帯と取り合わせて。
今年は、夏にお茶会や結婚式を控えたお客様が多く、早くから夏物がよく出ています。単衣や薄物の需要は、年々高まっているようですね。襦袢もサラサラとした肌触りの綿シルクを始め、麻や絽などの素材が人気です。
二階展示場にて。疋田絞りの訪問着をどうぞ。絞りには桶絞り、帽子絞りなど様々な技法があり、それらは全て男性の仕事です。しかし、生地を綿糸で一粒ずつ手で括るこの疋田絞りは、女性の仕事。手が変わると作風が変わるので、一反を仕上げるには、必ず同じ人でなければなりません。毎日毎日、同じ大きさの粒を括り続けます。細やかさと根気強さ、女性ならでは。
疋田絞りは、白い部分(括った部分は色に染まりません)と、染まった部分の二色で仕上がります。究極のシンプルさが魅力でしょう。二色の迫力、美しさを是非ご覧下さいませ。帯は誉田屋源兵衛の箔を織り込んだもの。黒留、色留、色無地すべてのフォーマルシーンにどうぞ。
今日から3月です。暖かい日差しが待ち遠しくなりました。幸田文の随筆に、「春」は「張る」に通じ、自然界のあらゆるものが大きく膨らみ、実ろうとする季節だとあります。地中に張った根から養分水分を摂り、木々は大きく成長し美しい花を咲かせます。鳥たちは声を張って春を告げます。
さて、私たちは…。春は出会いと別れ、いろいろなご縁が変化する季節。期待に胸が膨らむことがあれば、切なさで胸が張り裂けそうになることもあるでしょう。今月はどのように心がはるのか楽しみです。どうぞ皆さまに、素敵な「はる」が訪れますように。
先月は、お子様の卒業式、卒園式には着物で!と希望されるお客様が数名、着付けの練習にいらっしゃいました。是非、本番では自分らしいスタイルで、胸を張って節目の一日をお迎え下さいませ。着付けのレッスンも、随時承っています。