• 藤井絞の記憶──誠実な黒──

    藤井絞の記憶シリーズを久しぶりに。

    ひと口に黒色と言っても、実はいろいろな黒があります。藤井絞の黒は、浸け染めの深い深い黒で、見ればすぐに藤井さんの黒と分かるほど。誠実な黒とでも表現しましょうか。色にも人間と同じように、誠実、不誠実の印象があることを教えてくれた黒でした。

    昨日もご紹介しました黒地の小紋に、同じく藤井絞の名古屋帯を合わせてみましょうか。帯も藤井さんらしさ溢れる逸品。黒を背景に、京都らしい華やかな色が豊かに表現されています。

    誠実な黒、是非、本物でお確かめ下さいませ。

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  • 若竹?アスパラ?

    店内の丸テーブル。若竹をモチーフにした名古屋帯がディスプレィされています。

    時々、アスパラ?と仰るお客様もいらっしゃいます(笑)若竹でも、アスパラでも、お好きなイメージでお楽しみ下さい。

    着物は、藤井絞の小紋です。

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  • ひとつ身の全貌

    10月にお越しになった親子さんのおはなし(その時の記事はこちら)。5歳の息子さんが、先日お宮参りを済まされました。ママさんからの投稿です。

    こちらが、ひとつ身の全貌。藤井絞り製、桶絞りのひとつ身です。袴との相性も良く、息子さんの雰囲気にぴったりです。

    雪駄も別注で誂えたもの。写真では分かりませんが、鼻緒に宝尽くしの柄が刺繍されています。

    若様の装い、いかがですか?

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  • ツリーの光

    さて、西宮市の関西学院大学の時計台。毎年恒例、ツリーのライトアップが始まりました。夕方5時以降の大学訪問、おススメです。本当に美しい光景に、しばし息をのむほどです。

    20091205

    こちらは裏管理人の撮影
    こちらは裏管理人の撮影

    5時までは、時計台の中で展示されている数々の蔵書票を、是非楽しんで下さいね。

    併せて、正門前のトップコーヒーで美味しいコーヒータイムも是非どうぞ。かつて、俳優の豊川悦司さんがアルバイトされていたとな。。。ひとりで過ごすもよし、気の合う友人とゆったり過ごすもよし、です。


  • 落葉

    今年の紅葉は、とてもきれいでした。赤く黄色くなった葉っぱも、だんだんと落葉へと変化しています。最後のひと葉になるまで、しばし秋の名残をお楽しみ下さい。

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  • 続羽織の楽しみ方

    全体に柄のある羽織りを選んでみるのも、楽しいものです。こちらの羽織りのように、絞りと友禅が併用されたものには、女性らしい優しい雰囲気が漂います。無地の着物と合わせて、思い切り柄の良さを引き立たせるのも素敵ですよ。

    20091203


  • 羽織の楽しみ方

    羽織、コート、ショールなど、着物に重ねて纏うものが活躍する季節です。こちら私物の羽織です。地色の茄子色がとても気に入っています。無地かと思いきや、実は刺し子で控えめな柄がほどこされています。好きな色で選ぶ、それも羽織の楽しみ方。着物は無地の大島を。素敵な喫茶店でちょっとお茶を、なんていう時は、たいていこの組み合わせです。着物も羽織も抑えた色味なので、珊瑚のかんざしでアクセントを付けるのも、いつものやり方。小さいアイテムですが、かんざしは、その色ひとつで後ろ姿に大きな印象を与えてくれますよ。

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  • かんざしの帯

    ただ今、店内のディスプレイはこのようになっております。かんざしの帯、ありますねぇ。市松模様の部分はビロードで、とてもお洒落です。

    左の小紋も素敵ですね。仕立てて纏うと、幾何学模様が活きてきます。

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  • 視線を独り占め、かんざしの帯

    お客様からの投稿です。能登へ観劇にお出掛けになった時の装い。

    ポイントは、お仲間から大好評だったというかんざしの帯。アップリケの風合いも愛らしく、大人の可愛さを演出します。着物も、同じかんざし調子の小紋をお召しになって。このまま、『きものサロン』に投稿したいぐいらい素敵です。

    20091130


  • 手紙

    今日は、谷川俊太郎さんの「手紙」という詩をご紹介します。繰り返し読めば読むほど、深く心に入ってくる感じです。以前、谷川さんの朗読ライブを聴いた時、一番印象に残りました。声に出すと、とてもきれいです。

    近ごろ、手紙を書いてますか?文字でしか伝えられないことって、意外とたくさんあるんですよね。

    <手紙>

    電話のすぐあとで手紙が着いた

    あなたは電話ではふざけていて

    手紙では生真面目だった

    <サバンナに棲む鹿だったらよかったのに>

    唐突に手紙はそう結ばれていた

    あくる日の金曜日(気温三十一度C)

    地下鉄の噴水のそばでぼくらは会った

    あなたは白いハンドバックをくるくる廻し

    ぼくはチャップリンの真似をし

    それからふたりでピザを食べた

    鹿のことは何ひとつ話さなかった

    手紙でしか言えないことがある

    そして口をつむぐしかない問いかけも

    もし生きつづけようと思ったら

    星々と靴ずれのまじりあうこの世で