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  • 入学式に

    先日、小学生になる息子の入学式がありました。

    今はもうありませんが、東京友禅の名門だった岡巳の訪問着に初めて袖を通しました。作風、色合いが大変モダンで20年以上も前のものとは思えません。

    喜多川平朗の有職織と合わせて、いつもより華やかに装いました。ピンク系は得意ではありませんが、この訪問着は、嫌味も抵抗もありませんでした。選び方次第で、若作りしているように見えてしまうピンクは難しい色ですが、一枚あるとモチベーションの上がる一色です。自分に似合う大人ピンク探し、これから必要な要素だと感じました。

    さて新学期のスタートは寒い雨風の朝でした。重いランドセルを背負って、カッパを着て歩いていく子供の姿に、不安と心配が募りました。今まで経験したことのない感情です。子供も初めての経験ですが、親もこうして初めてのことを積み重ねて行くのですね。

     


  • 若草の優しさ

    お稚児さんから一週間、今日は冬の寒さです。あの日、お寺の娘さんがお召しになっていたのは、京友禅の訪問着です。撫子、タンポポ、桔梗など四季の花々が上品にあしらわれた優しい雰囲気です。節目の時にはいつもお召しくださっているそうです。

    織楽浅野の帯をさらりと合わせられ、素敵なフォーマルの装いです。

    先週を振り返って‥。


  • ひとつ身をまた

    今日から4月、桜も見頃になりました。今朝は檀家のお寺で、お稚児さんに上がりました。藤井絞で別注したひとつ身を、再び纏って。袖には葵の葉、裾には弓矢があしらわれ。桶絞りの独特の深い染が、いつ見ても何とも言えません。

    私は、3年ぶりに米沢進之介さんの訪問着「色紙」に袖を通しました。主張し過ぎず、しかし印象的な一枚で、お気に入りです。進之介さんの着物はどれも、ぴったりと合う帯を探すのが難しいのですが、今日の帯(誉田屋源兵衛)は、柄と色と雰囲気が、うまく合いました。やはり、和小物さくらの草木染の帯揚げも活躍しました。

    お天気に恵まれた、佳き日となりました。


  • 紅花染

    良いお天気が続きます。昨日は、ドライブがてらお着物で氷見までお越しくださいました。久米島紬に、いかにも春らしい紅花染の帯を合わせられて。黄系の観世も芽吹きを思わせます。

    庭のもみじも新芽が顔を出しました。赤い尖りを見て「鉛筆の芯」のようだと、子供が。新しい鉛筆は、今年どのような「えん」を描くのでしょうか。

    素敵な出会いがありますように。


  • 卒園に

    晴天に恵まれた昨日、息子の卒園式がありました。去年は出番のなかった桜の帯をどうしても締めたくて、ここぞの時の江戸小紋に合わせました。和小物さくらの草木染の帯揚げを新調し、満たされた気分で節目を迎えることができました。さくらさんの帯揚げは、生地感と発色がとても良く、100種に及ぶそのグラデーションは、どれもやみつきになりそうです。是非、一度身につけてくださいませ、絶対にお勧めです。

    涙いっぱい、笑顔いっぱいのいち日を、装いとともに記憶して。節目の日に、何かを新しくすることの嬉しさや喜びを改めて感じました。たとえ腰紐一本でも新しくすると、女性は幸せになれるものです。

    さて次回は入学式。今年の桜は、様々な様相を帯びるでしょう。

     


  • 綿薩摩

    雪の2月が終わり、日差しが暖かくなって参りました。

    先日は息子の通う幼稚園で、雛のお茶会がありました。綿薩摩に春を告げる山鳥の帯を締めて、春らしく装いました。着物も帯も母のものでした。好きなもの、善きものはいつまでも変わりません。薩摩のほっこり感を満喫したいち日でした。

    店内にも綿薩摩を。優しいベージュ系に野口の染帯を合わせて。帯揚げは和小物さくらの段ぼかし。

     

    春の織物も良いものです。


  • 光琳水

    また積もりました。暦の上では春ですから、店内には明るいお色目を。

    光琳水を模した染帯、クラシカルでモダンな雰囲気は、染の百趣矢野ならではの作風です。地色の鶸が上品です。

    最後の一本になりました。徳田義三の袋帯です。ゴールドの地に、鮮やかな大輪の花が魅力的に咲きます。

    雪と格闘しながらも、美しいものの力に日々救われています。