藤井絞の小紋です。桶染めならではの、こっくりと美しい紫地に、可憐な梅が絞られています。いかにも藤井絞の伝統的な色合いであり、趣きです。私自身も、幼少から桶染めの小紋が好きで、日舞のお稽古や舞台によく袖を通しました。シルクは名門大塚です。
同じく藤井絞の半幅帯を合わせて。お子様のお稽古きものにいかがでしょう。帯はリバーシブル。今ではなかなか生産できなくなりました。とても贅沢な取り合わせ、是非ご縁のある方に。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
早いもので、明日から11月です。一階ギャラリーでは山形県、新田織物の紅花染めをご覧いただいております。純粋に紅花を何度も何度も染め上げました。鮮やかさに深みが加わり、上質な色合いです。真綿紬の贅沢な無地です。唐織りの袋帯を合わせました。様々な吉祥柄を白の無地で織り出しました。
上質な紬地に、袋帯の組み合わせ。現代のライフスタイルに合ったフォーマル、提案しています。
雨粒がキラキラと光る朝を迎えました。昨日は雨の中、初めてお稚児行列に参列しました。お初の色留袖を着る予定でしたが、雨のため急遽変更。ここぞという時の勝負訪問着を出しました。桶絞りと友禅が華やかに融合した、藤井絞の逸品です。地色も柄のボリューム感も、お寺の法要にたくさんの人が参加するというシーンにぴったりでした。帯は皆川月華の作。菊と牡丹をモチーフにした、非常に力のある帯です。
今回は出番のなかった留袖ですが、いつか袖を通せる日を待つ楽しみが増えました。きものを着るという作業は、とても前向きな作業だといつも思います。この年齢になったらこれを着たいなぁとか、いつかこの色に挑戦したいなぁとか。いつかこの着物にぴったりの帯に出会える日まで待とうとか。発酵の時間、熟成の時間があります。待つことの楽しみを、雨のおかげで持つことができました。