床の間の、雲収山岳青の言葉通り、雲ひとつなく晴れ上がった先日の八坂神社のお茶会では、心もすっきりするようないろいろを学ぶことができました。
お見えになったお客様は、ベテランの先生方ばかり。90歳で、きちんと素敵なお着物をお召しになり、お道具を誉られ、お菓子もお茶も楽しまれ、亭主の先生に感謝を述べられる。
お茶席では、人生の大先輩でもいらっしゃる方々にいつも勉強させられます。30代の私など、本当に小さい存在で、年齢だけが若いことが恥ずかしく感じられるほど、先生方は本当にお若い。
昨今はアンチエイジングという言葉が流行り、顔のリフトアップの方法や、美容グッズ、美容食品を至るところで目にします。しかし、本当のアンチエイジングとは、いかに心豊かに日常生活を送るか、その積み重ねにあるのだと思いました。お茶一服を楽しむ時に、お先にとお隣にひと声かける気遣い、お道具の取り合わせを愛でること、一期一会のご縁を感謝すること。茶道で教わる心の遣い方、在り方を、日常でもきちんと活用できる人になりたいと、襟を正したいち日でした。
さて、6月号の『和楽』に茶道の基本を特集したページがあります。歴史的なことも含め、面白く読めますので、是非ご覧になって下さい。鈴木京香さんの和服姿も美しいです。