庭のもみじに、新芽が顔を出し始めました。赤い色の命、本当に可愛いです。
葉を出しているところもあります。緑に、赤の縁取りはこの季節ならではの彩りです。是非お楽しみくださいませ。
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富士日記
土曜日に書いた、武田百合子についてもう少し。
彼女の名前が世に出るきっかけになったのが、夫の泰淳との、富士山のふもとの別荘での日々を綴った『富士日記』(上・中・下)によってでした。富士での生活を記録しておけばという夫の言葉に促されてつけ始めた日記は、昭和39年9月から、夫が入院する昭和51年9月まで断続的に書き綴られました。夫の死後、ある雑誌にこの日記が掲載されて反響を巻き起こし、最終的には文学賞を受賞しました。
もともと公開を前提としていなかった日記ですから、本当に日々の淡々とした記録、たとえばその日その日の食事のメニュー、夫や山荘の周囲の普通の人びとの言動、世間を騒がせているニュースに関する感想、近くの山荘に時々滞在していた作家大岡昇平とのやりとりなど、ほとんどが他愛のない記述ばかりです。でも、それなのに、今まで何度読み返したことか。
作家泰淳の日常をのぞき見るという好奇心もはたらくのかもしれませんが、それ以外にも、日常の様々な場面や側面に関して、通常では思いもつかない感想をもらす彼女の視点と文体に、魔力があるのかもしれませんね。このような力は、訓練しても身に付くものではないでしょう。天性としか言いようのないものだと思います。
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漂流する女性作家
ある女性雑誌を読んでいて、たまたま小さなコラムに目が留まりました。漂流、放浪の女流作家、というようなテーマで、何人かの日本の女性作家の作品を紹介していたのですが、その中の一人に、武田百合子の『遊覧日記』が含まれていました。
夫(武田泰淳)を亡くした後の生活の中で、写真家の娘と東京都内を「漂流」しながら、その時の経験をまとめたものなのですが、彼女独特の視点からつむぎ出される文章は、 単なる身辺雑記を超えて、芳醇な散文詩のような味わいをもっています。さらりと読めますが、読後に、心の中に透明な結晶を残すような感じですね。
新年度を迎えて、何かと気忙しい日々が続いていますが、そんな週末に、こういう本をじっくりと味わいたいものです。
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更新止まっておりますが…
いろいろと多忙のため、このところ更新がストップしておりますが、少しずつ再開いたしますので、またお訪ねいただければと思っております。
私の母校のキャンパス内に咲いている桜です。関西には急に春がきたようです。
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エイプリルフールが過ぎて
毎年4月1日のエイプリルフールになると、インターネット上でも、各サイトがいろんなイタズラを仕掛け、訪れる人たちを楽しませたり、惑わせたりするのですが、今年は特に国内のサイトでは、震災の影響のせいか、こうしたイタズラを自粛するケースが目立ったようです。
そんな中で、Google Japanの「ウソ」が実に気が利いていたように思えました。「今年のエイプリルフールは来年に延期になりました」。たったこれだけですが、エイプリルフールの趣旨を活かしつつ、誰も傷つかない洒落たウソをつくという姿勢がよかったと思いました。Googleは今回の震災に際して、地震が起こった2時間後に早くも安否確認の特別ページを起ち上げたりなど、通常のネットサービスとは違った視点から、震災復興の支援を行なっています。
4月1日のGoogleのホームページでは、もう一つ小さなウソをついていました。それに関してはこちらをどうぞ。
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新年度
今日は4月1日、学校や企業では新しい年度が始まる日ですね。
考えてみれば日本は、1年という期間に関しては、2つの時間軸を使い分けて生活しています。1月1日から始まる1年と、4月1日から翌年3月31日までの1年です。諸外国でも、9月1日が入学や新学期開始のシーズンであるところは多いですが、企業の入社、あるいは会計年度の開始などまでも、同じ日に始める国というのは、かなり珍しいのではないでしょうか。
寒い冬を脱した春に新しい生活に入り、活気あふれる夏へと進んでいくという季節感は、死(冬)→再生(春)→成長(夏)→実り(秋)という神話のサイクルともぴったりと合っています。4月1日からの1年は、生のリズムに根ざした1年だということができるでしょう。春は生まれ変わりの季節なのです。
春物の装いを身にまとうというのも、単に気候の変化に合わせる以上の、様々な象徴的な意味も含まれるのかもしれませんね。
氷見の春は、今年はもう少し先のようですが、それでも確実に空気の中にその前触れを感じることができます。今日から新しい生活に入るみなさんのご多幸をお祈りしております。
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春のコンサート
4月10日の日曜日、夕方6時より誉一山荘オーベルジュドゥミクニにて、春のコンサートとディナーの集いがあります。ピアノとチェロの音色を楽しみながら、三國シェフのお料理を堪能できます。
会費はおひとり25000円。ドレスコードはスマートカジュアルとなっております。参加希望の方は、絲穂までご連絡を下さい。0766-74-6218。締め切りは、4月2日です。
これから、あの周辺はとても美しい季節に入ります。桜の名所ですからね。そういえば高校時代、桜が咲くとホームルームはお花見の時間でした。朝日山公園、誉一山荘がすぐそばにあるなんて、今思えば贅沢な環境だったんですね。
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ほしのふるまち
氷見を舞台にした映画『ほしのふるまち』が、いよいよ公開です。漫画を少し読んだだけですが、母校の氷見高校のシーンが多いとあっては、映画は是非観たいと思っています。夏は汗だくになりながら、冬はアイスバーンで滑りそうになりながら毎朝登った長い坂道が懐かしいです。
夏の授業中、窓を全開にしていると、窓際においておいたパンがカラスにさらわれた友人がおりました。「ああー!私のお昼ご飯がー!」の叫び声に、クラス中が大爆笑。野生の鋭い目が光る中、ベランダでのランチタイムは、なかなかスリリングでした。そんなシーンはないでしょうけど(笑)いろんな思い出とともに観たいものです。
さて、氷見のレストラン、お食事処が映画にちなんだメニューをいろいろ考案しています。ボーノペッシェさんの恒太郎ピザ、渚ピザは是非ご賞味下さい。本格派のピザの味です。
『ほしのふるまち』公式サイトはこちら。
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ボーノ・ペッシェのケーキ
お雛様を揃えましてから、ご縁を結んでくださるお客様が、毎日いらっしゃいます。お運び、本当にありがとうございます。
この期間中、ボーノさんで特別に焼いていただいたチーズケーキとチョコレートケーキをご用意しております。あっさりとした中に、しっかりとした深いお味で、コーヒー紅茶と相性は抜群です。ぜひこの機会に味わって下さいね。
このブログにおける、ボーノ・ペッシェさんに関する他の記事は、こちら。