近頃のエントランスです。
古典的な友禅の小紋が、皆まさをお出迎えします。とてもオーソドックスですが、飽きのこない定番タイプ。一枚あると大活躍の必須アイテムですね。
エクセーヌのお草履とともに。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
秋晴れの空のもと、昨日は茶道の先生に連れられ、嵐山の方へ。陶芸の時間です。お稽古仲間のみなさん、それぞれ思い思いの作品創りに夢中です。土を上へ上へと重ねて行きます。これが、そもそも簡単にできません。同じことをしているのですが、人それぞれにクセがあり、この時点でかなり個性が出ます。上手にできなくても、陶芸教室の先生が見事なフォローをしてくださます。
重ねた土をこの台ごと電動で回転させ成形すると、このように美しい姿になります。一応、私の作品として完成した建水です。土を重ねる段階から、ほとんど先生の手直しばかりなので先生の作品なのですが(笑)おかげで素敵な建水になりました。さて、焼いた後はどうなるのでしょう。本当の完成が楽しみです。仕上がったらまた、お茶会の機会を設けたいと思います。
常々、きものを見ても自分にはきものを創るなんてできないと感じていたのですが、陶芸をしてみても同じことを感じました。自分は創ることには向いていないと(笑)出来上がったものに対して、思ったり考えたりすることは好きでも、生み出すことは本当に本当に難しいことだなぁと痛感。やっぱり、職人さんに創ってもらったものは何でも大事にしなければと、肝に銘じた一日でした。
今日は中秋の名月です。昨日は全国的にグズグズした空模様でしたが、今夜はきれいな夜空が広がるでしょうか。
お茶のお稽古に行くと、この時期はいつも「掬水月在手」という句が床の間にあります。「みずをきくすれば、つきてにあり」と読みます。文字通り、水を手で掬えば、水面に映る月が手のひらにあるという何とも情緒的な言葉です。いいですね、素敵ですね。グッときますね。
今宵、みなさまの手のひらに美しい月が宿りますように。
10月12日(月)の体育の日の祝日も営業しております。足をお運びいただけますと幸いです。
9月27日日曜日。見事な秋晴れ。京都南座にて、三代目桂春蝶さんの襲名披露が行われました。桂米朝さん、ざこばさん、三枝さん、春團治さん、そうそうたる顔ぶれが揃い、美しい蝶の門出を祝いました。茂山逸平さん、童子さんによる狂言も愉しめました。この日、三代目春蝶さんは、お父様の二代目春蝶さんが得意とされた人情噺「一文笛」を熱演されました。スリのお噺ですが、こんなスリになら、すられてもいいかもと思ってしまいます。来年には金沢での公演もあるそうです。興味のある方は、是非。
さて、落語は午後2時からだったので、せっかく京都に来たのだから素敵なランチタイムをということで足を運んだのが、南座のほど近く、レストランMAEKAWA 。フレンチのお店です。少しお値段は張りますが、満足できるお料理がいただけます。この日、一番のヒットは焼きなすのポタージュでした。なすの苦みやくせが一切なく、ほのかに甘い優しいスープ。驚きのひと品です。カフェのみの利用もできますので、お近くまで行かれた際には是非。店内から見える風景がとても贅沢です。紅葉の季節は、必見の景色でしょう。
さて、お腹いっぱい笑った後は、余韻に浸りながらのティータイム。老舗、ソワレにて。色とりどりのゼリーが入ったメニューが人気です。
こちら、ソワレの外。友人は、お母様から譲られた紬に、ミンサの帯を合わせております。ちょうど今頃の季節にぴったりです。
こちら、店内、薄暗くなっております。私は、江戸小紋に型絵染めの帯を締めております。春蝶さんのお披露目ということで、蝶の柄を選びました。
ランチ、落語、余韻、着物で京都を満喫した一日でした。
藤井絞と言えば手絞りの毛氈というぐらい、ずっと昔から記憶に刻まれたものです。この毛氈は、先週のお茶会で久しぶりに出しましたが、改めて良さを実感。浸け染めならではの深い色合いと、手仕事ならではの優しい雰囲気が大好きです。
お客様にも好評で、その昔、お求めになったお客様方は、そういえばうちにもある!!と思い出され当時のよもやま話で盛り上がりました。今まで知らなかった、祖母とお客様のエピソードのいろいろを聞かせてもらうことができました。
記憶を呼び覚ます、藤井絞の毛氈でした。
清水卯一さんの水差しです。釜と同様、50年前に母がお茶のお稽古を始めた記念に、祖母が揃えたものです。一度も使われないままだったので、今回のお茶会では、当初この水差しを取り合わせる予定でしたが、じわじわと水が漏れてきました。急遽、別のものに変更した次第です。水差しは、お米のとぎ汁を入れて、中に膜を作って漏れをなおすそうですね。時間をかけて。果たして、この水差しを使う時はやってくるのでしょうか。
一期一会という言葉通り、お道具の取り合わせも、まさにその時限りのようです。縁がなければ、手元にあっても使えないんですね。母は、若い頃から茶道に縁があり、教えていたこともお茶会を設けたこともありましたが、今回使った釜もこの水差しも、ついぞお披露目できないままでした。稽古にこそ通っていてもペーペーの私が、50年後の今、まさかあの釜でお点前をする日がくるなんて•••。本当にありがたいご縁をいただきました。
きちんとした案内状を出したり、特別なお知らせをすることなく、数日間何となくお茶席ムードを楽しんでいただけですが、予想以上にたくさんのお客様が遊びに来て下さいました。当たり前のことですが、メンバーが違えば会話も違ってきます。毎回が新しい時間でした。一期一会とは、こういうことなのかと、初めて言葉の意味が少し分かったような気がします。ご縁やタイミングは、自分の力ではどうすることもできないことだけに、たいへん不思議で面白いものですね。この連休は、お客様から、お道具から「ご縁」という大切なものを学びました。
お茶会の楽しみのひとつに、お菓子があります。
今回は、伏木のこしむら百味堂さんの生菓子をご用意しました。銘は里ききょう。小振りで、上品なお味です。他にも、千代くるみというお菓子がとても有名です。
菓子器は織部。玉置保夫 造です。
お茶会では、どんなお茶碗でいただけるのかワクワクするものです。真ん中は、大樋長阿弥 造のお茶碗。手触りも良く、味わい深く、大人気でした。