ただ今、店内のディスプレイはこのようになっております。かんざしの帯、ありますねぇ。市松模様の部分はビロードで、とてもお洒落です。
左の小紋も素敵ですね。仕立てて纏うと、幾何学模様が活きてきます。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
お客様からの投稿です。能登へ観劇にお出掛けになった時の装い。
ポイントは、お仲間から大好評だったというかんざしの帯。アップリケの風合いも愛らしく、大人の可愛さを演出します。着物も、同じかんざし調子の小紋をお召しになって。このまま、『きものサロン』に投稿したいぐいらい素敵です。
今日は、谷川俊太郎さんの「手紙」という詩をご紹介します。繰り返し読めば読むほど、深く心に入ってくる感じです。以前、谷川さんの朗読ライブを聴いた時、一番印象に残りました。声に出すと、とてもきれいです。
近ごろ、手紙を書いてますか?文字でしか伝えられないことって、意外とたくさんあるんですよね。
<手紙>
電話のすぐあとで手紙が着いた
あなたは電話ではふざけていて
手紙では生真面目だった
<サバンナに棲む鹿だったらよかったのに>
唐突に手紙はそう結ばれていた
あくる日の金曜日(気温三十一度C)
地下鉄の噴水のそばでぼくらは会った
あなたは白いハンドバックをくるくる廻し
ぼくはチャップリンの真似をし
それからふたりでピザを食べた
鹿のことは何ひとつ話さなかった
手紙でしか言えないことがある
そして口をつむぐしかない問いかけも
もし生きつづけようと思ったら
星々と靴ずれのまじりあうこの世で
先週、着付けの練習にお越しになったお客様の妹さんが、いらっしゃいました。私も着てみたいと。同じお着物ですが、妹さんは黒地の帯を締めてイメージに変化を。黒同士の組み合わせも素敵です。
それにしても、お二人ともどうしてそんなにお上手なんですか。。。!!!??初めてとは思えない出来栄えです。
当店のサロンスペースでは、ゆったりと時間を過ごしていただくために、いろいろな雑誌を揃えております。個人的に雑誌『ミセス』が近ごろ気に入っています。
12月号の記事に感銘を受けたものがありました。以前にこのブログでもご紹介しました(2月12日)料理家の辰巳芳子先生の特集ページです。命の源であるスープを、食べものが喉を通りにくい病人にこそ食べて欲しいという先生の取り組みと、実際に先生のレシピに沿ってスープを作り、病人を看取った方からの感謝の手紙が紹介されています。
次々に転移するガンと脳梗塞を患い、食事もろくにとらなくなった父親に、辰巳先生のポタージュを飲ませたところ、一口いただいてから両手をひざに降ろされてしまったそうです。ああ、やはりダメだったかと思ったところ、「私には娘がおります。」と目の前の娘さんに仰ったそうです。「このスープを食べさせてやりたいから、娘を連れてきて下さい。」と。もはや、目の前にいるのが実の娘とも分からない状態であったにもかかわらず、自分を思ってくれる父の 優しさ、その瞬間に、スープが与えてくれた優しい時間を感じられたとのこと。
読んでいて、心を打たれました。こんな優しさもあるんですね。優しさの在り方は様々ですが、心も体も温かくなるスープの優しさに触れてみてはいかがでしょう。是非、『ミセス』を手に取って御覧下さい。それから、『あなたのためにーいのちを支えるスープ』も併せて。
「優しい」と「優れる」、どちらも同じ字を当てます。本当に優しいものは、本当に優れているのでしょう。優しいスープほど優れた食べ物はないのかもしれません。