昨日に引き続き、桶絞りのご紹介です。
細長く染め分けされておりますこちらの名古屋帯も、桶絞りです。一般的な桶絞りとは技術力も雰囲気も違うので、桶絞 り応用編というところでしょうか。
中の白い部分は、ひと粒ひと粒、手で括って防染する本疋田絞り(ほんぴったしぼり)。とても力がありますが、主張しすぎ ることなくお洒落を楽しめる帯です。これから、秋が深まるシーズンにいかがでしょうか。
着物も藤井絞製。帽子絞り、紬の小紋です。ハートのような柄がキュートですね。大人の可愛らしさを演出できそうです。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
昨日に引き続き、桶絞りのご紹介です。
細長く染め分けされておりますこちらの名古屋帯も、桶絞りです。一般的な桶絞りとは技術力も雰囲気も違うので、桶絞 り応用編というところでしょうか。
中の白い部分は、ひと粒ひと粒、手で括って防染する本疋田絞り(ほんぴったしぼり)。とても力がありますが、主張しすぎ ることなくお洒落を楽しめる帯です。これから、秋が深まるシーズンにいかがでしょうか。
着物も藤井絞製。帽子絞り、紬の小紋です。ハートのような柄がキュートですね。大人の可愛らしさを演出できそうです。
藤井絞に関する記憶の中で、最も印象深いのが「桶絞り」という言葉です。文字通り桶で染め分ける絞り技法ですが、繰り返し聞かされ、とにかく言葉だけは脳にインプットされました。
こちらが、桶絞りで使う桶です。
ただの桶ではありません。絞り専用の桶です。専用ですから、この桶だけを作る職人さんがいらっしゃいます。
さて、蓋の下から茶色に染まった生地が顔を出しているのがお分かりでしょうか。たった今、染め職人さんのところから茶色に染められて帰ってきたばかりです。(藤井絞さんにお邪魔すると、よく桶に遭遇します。この写真も藤井さんで撮影したものです。)次は、桶に生地を仕込む職人さんのところへ運ばれ、違う色に染めたいところが桶の外に出るように様子を変えます。こうして、二カ所の職人さんの間を行ったり来たりします。色数が多いほど手間がかかります。
大きな面積を染め分けるのが、桶絞りの特徴です。こちらの振袖をご覧下さい。
赤、紫、緑が大きく美しく染め分けられています。その間に細い黄色の部分がありますね。これも桶で絞るのですが、このように細い部分を染めるのは非常に難しく、熟練した技術が必要とされます。生地をはさんで蓋を締める作業は、本当に神経をすり減らす仕事です。締め過ぎては生地を痛め、緩いと色が混ざり合ってしまいます。このように、くっきりときれいに染め分けれられているのは、素晴しい技の結晶です。
それから、色の美しさにいつも圧倒されます。染めが良いと、原色ばかりが同居しても喧嘩しません。どの色もその特色を出しながら、他の色をも引き立たせているようです。
人間同士もこんな風だったら、関係がとてもスムーズに行くのになぁ、なんて考える時もあります。
藤井絞の記憶─階段─、藤井絞の記憶─好き嫌いをしたらあかん─
お月見シーズン限定の名古屋帯、とってもお洒落ですよ。
写真は、お太鼓の部分。実は、お腹に出る模様とストーリーになっています。
さて、前はどんな風になっているのでしょうか。店内でお確かめください。
素敵な花入れタペストリーも入りました。店内お月見モードでございます。
先週、最後の夏日に神戸はアンティークアナスタシアの奥さまと着物でランチをしました。夏を惜しんで、小千谷ちぢみ。その日は、半幅帯のアレンジを楽しまれました。麻葉模様のリバーシブルの帯、すっきりと素敵です。大人の女性にオススメしているこの変わり結びは、複雑に見えて30秒もあれば完成してしまう便利なもの。椅子の背もたれにもたれても、潰れる心配がありません。紺と白をうまく使い分け、上級者の風情です。
さてバッグは、科布。アンティークの時計は 、紺のベルトが効いていて、全身のコーディネートとぴったりですね。襦袢は、サラサラと心地よい綿シルク。襦袢の柄も麻葉模様なんですよ。
日本を代表する大女優、高峰秀子さんのエッセイ『にんげんのおへそ』。有名人から一般人まで、自分と関わるいろいろな人たちとのエピソードが書かれています。日常の出来事ですが、ユーモアたっぷりリズム感がよく表現されています。読み終わると、すっきり爽やかな気分になります。どんなに売れっ子になっても、ひとりの人間としてのブレない生き方をする高峰さんは、憧れの女性です。
合わせてどうぞ。『おいしい人間』