秋が深まると、着物も大作を見たくなるものです。数日に渡り、振袖をご紹介します。お好きな作品、ありますでしょうか。 本日の振袖は、吉祥柄の雲取りを桶絞りで表現したもの。藤井絞製。20歳を過ぎても、長く袖を通すことのできる味わい深い振袖です。
桶絞りについてはこちら。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
秋が深まると、着物も大作を見たくなるものです。数日に渡り、振袖をご紹介します。お好きな作品、ありますでしょうか。 本日の振袖は、吉祥柄の雲取りを桶絞りで表現したもの。藤井絞製。20歳を過ぎても、長く袖を通すことのできる味わい深い振袖です。
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秋晴れの空のもと、昨日は茶道の先生に連れられ、嵐山の方へ。陶芸の時間です。お稽古仲間のみなさん、それぞれ思い思いの作品創りに夢中です。土を上へ上へと重ねて行きます。これが、そもそも簡単にできません。同じことをしているのですが、人それぞれにクセがあり、この時点でかなり個性が出ます。上手にできなくても、陶芸教室の先生が見事なフォローをしてくださます。
重ねた土をこの台ごと電動で回転させ成形すると、このように美しい姿になります。一応、私の作品として完成した建水です。土を重ねる段階から、ほとんど先生の手直しばかりなので先生の作品なのですが(笑)おかげで素敵な建水になりました。さて、焼いた後はどうなるのでしょう。本当の完成が楽しみです。仕上がったらまた、お茶会の機会を設けたいと思います。
常々、きものを見ても自分にはきものを創るなんてできないと感じていたのですが、陶芸をしてみても同じことを感じました。自分は創ることには向いていないと(笑)出来上がったものに対して、思ったり考えたりすることは好きでも、生み出すことは本当に本当に難しいことだなぁと痛感。やっぱり、職人さんに創ってもらったものは何でも大事にしなければと、肝に銘じた一日でした。
今日は中秋の名月です。昨日は全国的にグズグズした空模様でしたが、今夜はきれいな夜空が広がるでしょうか。
お茶のお稽古に行くと、この時期はいつも「掬水月在手」という句が床の間にあります。「みずをきくすれば、つきてにあり」と読みます。文字通り、水を手で掬えば、水面に映る月が手のひらにあるという何とも情緒的な言葉です。いいですね、素敵ですね。グッときますね。
今宵、みなさまの手のひらに美しい月が宿りますように。
10月12日(月)の体育の日の祝日も営業しております。足をお運びいただけますと幸いです。
9月27日日曜日。見事な秋晴れ。京都南座にて、三代目桂春蝶さんの襲名披露が行われました。桂米朝さん、ざこばさん、三枝さん、春團治さん、そうそうたる顔ぶれが揃い、美しい蝶の門出を祝いました。茂山逸平さん、童子さんによる狂言も愉しめました。この日、三代目春蝶さんは、お父様の二代目春蝶さんが得意とされた人情噺「一文笛」を熱演されました。スリのお噺ですが、こんなスリになら、すられてもいいかもと思ってしまいます。来年には金沢での公演もあるそうです。興味のある方は、是非。
さて、落語は午後2時からだったので、せっかく京都に来たのだから素敵なランチタイムをということで足を運んだのが、南座のほど近く、レストランMAEKAWA 。フレンチのお店です。少しお値段は張りますが、満足できるお料理がいただけます。この日、一番のヒットは焼きなすのポタージュでした。なすの苦みやくせが一切なく、ほのかに甘い優しいスープ。驚きのひと品です。カフェのみの利用もできますので、お近くまで行かれた際には是非。店内から見える風景がとても贅沢です。紅葉の季節は、必見の景色でしょう。
さて、お腹いっぱい笑った後は、余韻に浸りながらのティータイム。老舗、ソワレにて。色とりどりのゼリーが入ったメニューが人気です。
こちら、ソワレの外。友人は、お母様から譲られた紬に、ミンサの帯を合わせております。ちょうど今頃の季節にぴったりです。
こちら、店内、薄暗くなっております。私は、江戸小紋に型絵染めの帯を締めております。春蝶さんのお披露目ということで、蝶の柄を選びました。
ランチ、落語、余韻、着物で京都を満喫した一日でした。
先のお茶会で、母が締めていた帯はどれも織りのものでした。しかも、無地感の。織りの表情だけで雰囲気を出すこの種の帯は、一本あるとなかなか良いと思います。薄物から単衣に切り替る頃に、季節感も演出できるアイテムです。
例えば、綿織りのグリーンの帯。綿独特の柔らかさと、染色の優しさがちょうど秋を予感させる季節にぴったりです。着物も大島と、織りのと織りの共演ですが、それぞれの表情が活きてきます。
こちらの帯は、松尾鏡子作。絹の光沢が特徴で、ちょっと勢いのある帯です。今回は敢えて同系の色無地と合わせました。染めの着物は柔らかく、織りの帯はピリリと、無地同士でメリハリをつけるのもいいもので。
織りの帯というものは、実際に締めてみないと本当の良さは分かりません。角度や動作によって様々に表情を変えますので、長年付き合っていてもいつも新しい発見があります。今回、立ち姿を撮ってみたのですが、あまり面白くありませんでした。織りの帯は、やはり動きの中で魅力を発揮するのでしょう。釜の様子をうかがっている後ろ姿に、ああ、いい帯だなと素直に感じました。
藤井絞と言えば手絞りの毛氈というぐらい、ずっと昔から記憶に刻まれたものです。この毛氈は、先週のお茶会で久しぶりに出しましたが、改めて良さを実感。浸け染めならではの深い色合いと、手仕事ならではの優しい雰囲気が大好きです。
お客様にも好評で、その昔、お求めになったお客様方は、そういえばうちにもある!!と思い出され当時のよもやま話で盛り上がりました。今まで知らなかった、祖母とお客様のエピソードのいろいろを聞かせてもらうことができました。
記憶を呼び覚ます、藤井絞の毛氈でした。