6月21日は父の日です。
オーソドックスですが、ネクタイはいかがでしょう。 絞りのタイプは、当店で人気のベストセラー。 おもしろさも高級感もあり、実際に着けると男前度数がぐんとアップいたします。
他にも、扇子(ケース付)や携帯灰皿などの男性向きの小物をご用意しております。
富山県氷見市の呉服屋 きものの館絲穂
浴衣の季節到来ということで、店内には毎日いろいろな浴衣が提案されています。今年は、黒をベースにした半幅帯に注目しています。
黒という色は、とても難しい色だと思います。ちょっと間違えると上品さに欠けてしまったり、暗いイメージになってしまったり。黒地のきものすっきりと着こなすということに抵抗のある方、意外とたくさんいらっしゃるのでしゃないでしょうか。
けれど、例えば帯という躯を覆う部分の少ないもので取り入れてみてはいかがでしょう。それも、半幅の帯で。半幅は名古屋帯と違っていろいろな結び方ができますから、うまく可愛さや上品さを表現できます。
浴衣と合わせるとなお一層引き立ちます。浴衣には、きものでは表現しにくい色や柄がデザインされることも多いので、普段は似合わないと思っている色にもチャレンジでき楽しい冒険にもなります。
さて、まったく雰囲気の異なる浴衣に黒地の半幅帯をのせてみました。皆さま、どのような印象をお持ちになりますか?
こちら、総絞りの浴衣。絞りの名門、藤井絞り製。 帯はとてもシンプルなデザインですが、大胆で可愛らしいイメージの浴衣にうまく落ち着きを与えています。
こちら、綿紅梅の浴衣。とても面白い模様ですね。色もお洒落です。浴衣にも帯にもある、横に走るラインを活かしました。 シンプルですが、とっても人目を惹く組み合わせではないでしょうか。
サガンの名作『悲しみよこんにちは』 を読まれたことはありますか?今年は作品が誕生して50周年ということで、日本でもサガンの人生を映画化したものが、まもなく放映されるそうです。
初めて読んだ中学二年の時から、この作品は私にとってなくてはならないものとなりました。「ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。」という始まりは、当時の私の心を捉え、小説に引き込まれて行きました。主人公である17歳のセシルに、理性的な女性アンヌが(セシルの新しい母親になる予定の女性)恋愛について次のように諭す場面があります。「あなたは恋愛について少し単純すぎる考えを持っているわ。それは独立した感覚の連続ではないのよ。」…「そこには絶え間ない愛情、優しさ、ある人の不在を強く感じること。」このあたりの台詞がとても印象的で、特に「ある人の不在を強く感じること」という部分は、10代の私には理解に難しかったのですが、いつか理解できるハズだと思いそれから毎年、読み返すようになりました。同じ作品でも、毎年感じ方が違うものです。それまで読み過ごしていたところを、突然面白いと感じたり、逆に大好きだった場面がそうでもなくなったり。作品に対して新鮮さを感じると同時に、自分という人間の新たな一面を発見することにもなります。
登場人物は17歳のセシル、プレイボーイのセシルの父、その恋人エルザ、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌ、セシルのボーイフレンドのシリル。17歳の少女特有の純粋さ、それゆえの残酷さ、独占欲、完璧なものに対する反発など、微妙に揺れ動く心理状態を軸に物語は展開します。
さて、この5人が織りなす悲しみの世界とは、いかに‥。
ただ今、関西学院大学、時計台展示室にて、現代の職人によって復元された 江戸時代のきもの(当時きものは小袖と呼ばれていました)が展示されています。できるかぎりの当時の技法を使って復元された作品はどれも、絞り、友禅、刺繍すべての点において素晴らしく、美しいものでした。実際に使われた型紙、繭、糸、染料、など普段目にすることのできない貴重なものもたくさん見ることができます。制作工程のビデオ上映も行われており、きものだけ見ていても分からない細かい作業や職人さんの技に見入ってしまいます。見えないところで手を抜いてないものは、きちんとした結果として顕れるのだということを痛感します。6月20日(土)13時半〜「きもの職人こぼれ話」と題して、職人さんの講演があるそうです。入場無料。
同時に展示されています、江戸時代の小袖裂もたいへん見応えがあります。こんなにも貴重ないろいろを、こんなにも間近で見ることができるなんて、なんと贅沢な企画でしょう!!お近くにお住まいの方、お近くまで行かれる方、ぜひ足をお運び下さい。7月15日まで展示されています。