• カテゴリー別アーカイブ お着物の話題
  • 細雪が観たくて

    昨日、富山で『細雪』の公演がありました。幸運にも、最前列のど真ん中の席をゲットされた常連のお客様。絲穂で和服姿に変身です。かんざし柄の小紋に、リバー シブルの小袖帯をコーディネート。桜とうさぎの柄、どちらも楽しめる文庫結にお仕上げ致しました。前に桜の柄を出したので、後ろはうさぎをポイントに。この文庫結びは、背もたれに寄りかかってつぶれても平気ですから、運転にも観劇にも向いています。

    観劇前にちょっとひと息。これから始まる華やかな幕開けに心が躍りますね。

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    いざ、出陣。同系色の羽織をお召しになって。深まる秋を感じさせる、上級者の着こなしです。

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  • 羽織の季節です

    ワタクシゴトで恐縮ですが、締めのネタとして今月の感激ショットを。

    去る18日の日曜に開催された、秋のおどりに出演されたお嬢様とのツーショットです。 高校生のお嬢様、これから更なる飛躍が期待されます。おばあ様は、祖母の代から当店のお客様。おふたりでお稽古にはげんでいらっしゃいます。素敵ですね。

    さてこの日、私は市松ぼかしの小紋に、本疋田の名古屋帯(藤井絞製)を締めております。舞踊鑑賞の時は、なるべく明るい色のものを身に着けるようにしています。帯揚げも、普段はあまり使わないピンク色をもってきました。

    これからの季節、活躍するのが羽織です。こちらの黒の羽織、背中と袖にビロードの市松模様があります。お洒落にも、喪にも使えます。とてもとても 気に入っています。動くとよく分かるのですが、身体に沿う感じが絶妙です。完璧な仕立てです。お問い合わせは、0766−74−6218 絲穂まで。 羽織の季節、到来です。

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  • 貝紫のはなし

    先の秋のおどりの会場にて。母が着ておりましたこちらの紬、貝紫で染められた糸で織られたものです。貝の内蔵にある特殊なパープル腺という部分を使い染めます。このパープル腺、取り出して太陽に当てると紫に変化します。

    染色技術は、紀元前600年頃の地中海沿岸に遡ります。一グラムの色素を得る為に二千個もの貝を必要とした希少性から、ロイヤル・パープル、帝王紫と呼ばれギリシャ・ローマ帝国では、皇帝や貴族にしか使用が許されなかった色なのだそうです。他にも、貝紫の歴史やエピソードについては、興味深いもの があるので是非、吉岡幸雄著『日本の色辞典』を御覧下さい。

    母の着物はその昔、著者である吉岡先生のお父様に染めていただいたものです。現代の日本に生まれてよかったですね。古代のローマじゃ、着せてもらえなかったでしょうから。。。!

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  • 秋のおどり

    昨日は富山で日舞公演、秋のおどりが催されました。富山のお客様とご一緒し、芸術の秋を満喫致しました。

    お客様は、白とブルーをきれいに統一したコーディネートで。バッグのピンク色がポイントとなり、華やかな印象に。

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    後ろ姿は、とても印象的。シンプルなお着物に、美しい蝶が映えますね。

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    日舞鑑賞は久しぶりでした。以前に自分もご縁があった演目もあり、しみじみ見入ると、実はなんと難しい踊りだったのかと改めて感じます。当時はまだ小学生 だったこともあり、踊りの順番を覚え、カツラを被り衣裳を着けて舞台に上がるだけで精一杯でしたが、今ならもう少し解釈して心情に変化もつけられるので は。。。と。まぁでも、「男は薄情者〜」なんてクドきを12、3歳で解りっこないので(笑)当時は当時ですね。

    どの道でも芸の道は、だから終わりがないのでしょう。同じ演目でも、年齢や経験や環境によって捉え方が変わりますものね。当たり前のことですが、当たり前のことを改めて感じたひと日でした。


  • ひとつ身の行方

    先の連休は、神戸からひと組の親子さんがいらっしゃいました。目的は、現在4歳のボクちゃんに袴を探すこと。だって、こんな素敵なひとつ身があるんですも の。。。!!

    言わずと知れた、藤井絞の別注品。桶絞りのひとつ身です。百日のお宮参りの後、今度は七五三でお召しになる予定です。その時は、恰好良い袴ス タイルで!実にぴったりの袴が見つかったのですが、その全体像はまたいつかのブログで。ひとつ身の行方に乞うご期待です。

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    藤井絞のひとつ身

    こちら、このひとつ身の持ち主ラッキーボーイです。氷見滞在2日目、あいやまガーデンにて馬車に乗って記念撮影。いつかは是非、和装で馬車に乗ってみて欲しいな。

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  • お宮参りの新提案

    お客様よりご投稿です。今年の春にお子様のお宮参りをされた時のお写真です。お召しなのは、市松ぼかしの小紋。小紋ですが、このように吉祥柄の帯を組み合わせると色無地感覚の装いとなります。まさに現代のフォーマル、とても素敵ですね。豪華な訪問着とは違った、シンプルな美しさがあります。着付けはお母様がされたとのこと、自然な感じでいいですね。

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    市松ぼかしの魅力は、柔らかく女性らしい雰囲気です。

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    色違いは、こちら。8月26日のブログで。


  • 織りの帯の愉しみ

    先のお茶会で、母が締めていた帯はどれも織りのものでした。しかも、無地感の。織りの表情だけで雰囲気を出すこの種の帯は、一本あるとなかなか良いと思います。薄物から単衣に切り替る頃に、季節感も演出できるアイテムです。

    例えば、綿織りのグリーンの帯。綿独特の柔らかさと、染色の優しさがちょうど秋を予感させる季節にぴったりです。着物も大島と、織りのと織りの共演ですが、それぞれの表情が活きてきます。

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    こちらの帯は、松尾鏡子作。絹の光沢が特徴で、ちょっと勢いのある帯です。今回は敢えて同系の色無地と合わせました。染めの着物は柔らかく、織りの帯はピリリと、無地同士でメリハリをつけるのもいいもので。

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    織りの帯というものは、実際に締めてみないと本当の良さは分かりません。角度や動作によって様々に表情を変えますので、長年付き合っていてもいつも新しい発見があります。今回、立ち姿を撮ってみたのですが、あまり面白くありませんでした。織りの帯は、やはり動きの中で魅力を発揮するのでしょう。釜の様子をうかがっている後ろ姿に、ああ、いい帯だなと素直に感じました。


  • 竜巻絞り

    ただ今、エントランスには藤井絞製、竜巻絞りの着尺がディスプレィされています。

    月をモチーフにした帯も素敵ですね。写真がボヤケててすみません。是非、店内で実物を御覧下さい。

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    ちょっと目線を上げていただくと、季節の額も飾ってあります。 蒔き糊(まきのり)の菊模様です。

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