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  • 『きもの紀行』シリーズ3ー甲田綏郎の世界、家族の絆が繋ぐ袴ー

    立松和平氏の『きもの紀行』第三弾は、精好仙台平(せいごうせんだいひら)という袴に注目してみましょう。

    もともとは、仙台藩が生産した御用織物である仙台平ですが、今では甲田綏郎(よしお)さん一家のみが織る大変貴重なものとなりました。身に着けると、その価値はまさに身を以てわかるそうですが、生地に触れてみるだけでもわかります。この袴は、ただものではないという緊張感が指先に走ります。背筋が伸び、拝みたくなるような神々しさが漂います。張りと柔軟性の見事な融合。やはり男性のためのもの。女性には着こなせない位の高さを感じます。

    『きもの紀行』に、「一糸現念」という言葉が紹介されています。甲田家に代々伝わる言葉で、立松氏曰く、

    機を織るときの心構えであるという。一糸に、糸を紡ぐ人、染める人、織る人、着る人、すべての思いが現れるという意味だろうか。

    身に着ける人が檜舞台に立つことを想像し、全身全霊をかけて織る、それが甲田家のやり方。先代の甲田栄佑さんの教えは、綏郎さんと、後継者である娘さんたち、お姉さん、妹さんにしっかりと受け継がれています。

    伝統を守り、仕事を守り、家族を守る。容赦なくはいってくるものと戦って、結局、伝統と仕事と家族だけが残ってきた。この道以外に生きる道はないんですね。。。仕事していく過程で、親の心の受け継ぎがわかります。親から子への魂の受け継ぎなんです。一生が勉強です。根気がいる仕事ですから、いつも心を平にして、一心に仕事に打ち込めるのも、家族の支えがあるからこそなのです。

    と、綏郎さん。仙台平の神々しさは、甲田一家の絆から生まれ出ているのでしょうね。

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  • 昨日のお客様

    3月4日に着付けの練習にいらっしゃったお客様、本日は袋帯にチャレンジです。

    お着物は同じ江戸小紋ですが、帯によって雰囲気がガラリと変わります。初めてのチャレンジでしたが、きちんと帯の形が出来上がっています。

    今度は、お子様の入学式にお召しになるそうです。卒業式と入学式で同じ着物を二度楽しむやり方、素敵ですね。

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  • 続きものを着るときは

    個人的な心がけですが、きものを着る前日は足袋や下着にアイロンをかけます。そんな面倒なことしなくても、今どきはノンアイロンの足袋もありますよなんて言われそうですが、敢えてそうしているのです。

    皺を伸ばしながら、いろいろ考えるんです。着姿を想像して、翌日の予定に思いを馳せる。円滑に物事が運びますようにと、願いをかける。おまじないのようなものです。

    それに、皺が伸びた下着は気持ちがいい。自分にしか分からない満足感ですが、きものを着るときには、そういった人の目に見えない所作がとても大きく作用していると思います。

    面倒なことも、やってみると意外とやみつきになったりして。自分だけの密かなやり方を作ってみるのも、きものの楽しみ方のひとつです。


  • きものを着るときは

    さて、ずいぶんと温かくなって参りました。お天気が良いときものでのお出かけも楽しくなりますね。私がきものを着る際に気をつけていることのひとつに、下着選びがあります。特にこれからの季節はしっかりと汗と取ってくれるもの、肌に優しいものがベストです。

    ここ数年間愛用している肌襦袢が、こちらのあしべ織汗とり。吸水力の大変強い天然素材、燈芯が主な材料で、夏は汗取りになり冬は温かく防寒の役割がありますので、オールシーズンお使いいただけます。あせもでお悩みの方、一度ぜひお試し下さい。ちょうどお腹周りの部分が二重に織られておりますので、細身で補正が必要な方はタオルなしでもしっかりと帯が胴にのり、安心感を得られます。

    私はこの肌襦袢に出会ってから、こればかり。半信半疑で試されたお客様も、洗い替えに二枚目をお求めにいらっしゃいます。Mサイズ14,000円、L15,000円と、少し値は張りますが後悔はさせません。

    また、裾よけはキュプラという素材をお薦めします。汗をかいてもサラサラとしており足にまとわりつきません。特に、長時間正座なさる場合や舞踊のお稽古などに最適でしょう。下着は見えないものですが、肌に一番近い部分ですので、決して軽視なさらないで下さい。下着の素材感、有り様によって着姿や精神的な満足感がまるで違ってきます。今春は下着にご注目下さい。

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  • 梅田でランチをしてきました。

    昨日は、大阪のお客様と梅田でランチをしました。場所は梅田芸術劇場のほど近く、SOLVIVAというお店。パスタ、グラタン、雑穀米プレートなど数種類あるランチメニューには、有機野菜が使われています。美味しい野菜や、お塩などの調味料が店内で販売されているのも魅力です。

    さて、本日の装い。どちらも大島紬です。お客様は春らしい白地に蚊絣の大島に、墨黒の名古屋帯という組み合わせ。私は黒無地の大島に、チェックの名古屋帯。同じ無地っぽい大島でも、白と黒で印象が全然違います。いろいろと帯で表情を変えて楽しむことができます。袖を通す度に柔らかくなり、からだになじむのも大島の特徴ですから、ちょっとしたお出かけも着物で行ってみたくなりますね。

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  • 本日のお客様

    本日、着付けの練習にお見えになったお客様です。お子様の卒業式にひとりで着て出掛けたい!とのこと、今日で2回目の練習ですがすっかり着慣れしたご様子です。

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    着物も帯も江戸小紋という組み合わせ。帯は藍田正雄作「引き杢」の名古屋帯。グレーで統一されたコーディネートに、帯の杢目模様が大きなインパクトとなりメリハリを与えます。 生地の状態で見るとちょっと地味に感じる引き杢、いざ締めてみるとたいへんに主張する帯ですね。上質な帯は人の体に巻かれて初めて本領を発揮するとうことを、改めて学びました。

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  • アーメルド・サンシーオンの仕事2

    時々、揃って和装でご来店下さるこちらの親子、帯の魅力を活かしたコーディネートが素敵です。右、お嬢様がお召しの帯はサンシーオン作のもの。更紗柄なのですが、昨日ご紹介したものとは対照的に繊細なタッチで描かれています。お母様のコーディネートは黒を基調に統一され、帯のアップリケが印象に残りますね。

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  • アーメルド・サンシーオンの仕事1

    今から約20年前、フランス人デザイナーでアーメルド・サンシーオンという女性の作ったきものや帯が一世を風靡しました。女性ならではの感性でペーズリーなどの更紗柄が表現されています。こちらの帯はもちろん当時のものですがとても上質な染めが施されており、まったく色あせることがありません。むしろ、シックな無地のきものに合わせると今の時代にこそぴったりとくる作品ではないでしょうか。きものは細かい格子柄の大島です。

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  • 米沢進之介の仕事2

    以前に、米沢氏の作品の特徴は色だと申しました。こちらの色無地も四度染めされたもの。非常にあか抜けたものです。今日は、同作家の名古屋帯を合わせました。作風の第二の特徴は、描き方にあると言えるでしょう。重々しい感じではないけれども、しっかりと存在感があり、同時にしなやかな動きも感じられます。空間の使い方が絶妙ですね。独特の色使いと描き方が相俟って、モダンな仕上がりです。同じ作家の作品どうしを合わせると煩くなることもありますが、米沢氏の場合はすっきりとバランスのとれたコーディネートになります。

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