しばらくは、江戸小紋の提案をしています。袋帯は唐織り、篭目に小花です。 開いている雑誌は『和樂』3月号。皆様、ご覧下さいね。
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『きもの紀行』シリーズ2ー山下八百子の世界、黄八丈という三色の美ー
立松和平氏の『きもの紀行』シリーズ二回目は、黄八丈を作る山下八百子さんをクローズアップします。
黄八丈は、八丈島の草木で染められた織物です。黄色、樺色、黒の三色で構成される黄八丈、その特色は「この三色で縞と格子を織り込み、絣がないことである。色の布といってよい。シンプルで粋である。」と立松氏。その美しさゆえ、黄八丈はかつて江戸に年貢として納められていたそうです。作り手は、年貢のためひたすら苦労に耐えたとのこと。
無形文化財保持者の山下さんは、「我慢せい我慢せい、我慢していれば、下駄についた土もいつか自分のものになる」というおじいさまの言葉を聞きながら、幼い頃より黄八丈作りに関わって来られたそうです。山下さんの作品から感じられる優しさは、苦労と我慢を乗り越えた末にあるものなのかもしれません。
山下八百子作、草木染め黄八丈。美しく優しい三色のグラデーションをお楽しみください。
『きもの紀行』シリーズ一回目はこちら。
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たとえばショールの美しさとは:3
たとえばショールの美しさとは、柄の配置にありましょう。こちらのショールは黒地に小さな桜の花が散りばめられたもの。ちょうど肩のラインに沿って花びらを纏う仕組みになっています。もう片面は無地で、淡い桜色。一枚で、まったくイメージの違う表情を出せるのもショールの魅力でしょう。
関連記事:「たとえばショールの美しさとは」、「たとえばショールの美しさとは:2」
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『きもの紀行』シリーズ1ー添田敏子の世界ー
渋紙に彫刻刀で模様を彫り、布にのせて摺り込んだり染料の入った糊を置く。顔料をそのまま摺り込めば染まり、糊の部分は染まらない。その組み合わせでいろいろな柄を作る型染め。そのひとつである、型絵染めが添田敏子さんの携わる分野。型染めの技術に、現代的で独創的な模様を創作したものです。
添田さんの作品の特徴は、野菜や玩具など身近にあるものからヒントを得ていることにあります。お孫さんの描かれた絵やから発想されることも多いとのこと。その作風からは、自由な広がりや躍動を感じます。
本日ご紹介しますのは、「青茎牡丹」というタイトルの作品。
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「一枚の布には山河がしまい込まれている。」
きものは、ただの布ではないと常々感じていた時に出会ったのが、立松和平著『きもの紀行ー染め人織り人を訪ねてー』でした。
「一枚の布には山河がしまい込まれている。」という一節から始まるこちらの著作は、立松氏が実際に訪ねた作家の人間性と仕事が見事にクローズアップされたものです。是非一度、手になさって下さい。
まずきものと一口に言っても、こんなにも多くの染め方や織り方の技があるのかと驚かされます。そして、きものという布がいかに自然と、日本の風土そのものと密接に関わっているか知らされます。何より、ひとつの作品に込められている作家の想いやプロ意識に心を打たれます。
これから数ヶ月に渡り、立松氏の言葉を抜粋しながら何人かの作家を取り上げ、実際の作品をご紹介したいと思います。本日は、まず著書のご紹介。今月は型絵染め添田敏子さんに迫ります。それはまた、明日のおはなしということで。
『きもの紀行ー染め人織り人を訪ねてー』立松和平著、写真大倉瞬二 家の光協会
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纈(けち)こそ絞りの始まりぞ
絞りとは、布の一部をつまんで糸で括ったり、線や形に縫い締め、模様を染める染色法です。日本にもたらされたのは、奈良時代。シルクロードを通って正倉院に伝えられた染色品の中に、絞りの原型が見られます。
板締めによる挟纈(きょうけち)、ロウ防染の臈纈(ろうけち)、絞り染めの纐纈(こうけち)は三纈(さんけち)と呼ばれ、「纈」とは絞りを意味しました。
「絞り」というと非常にポピュラーな名称ですが、歴史は8世紀にまでさかのぼるのですね。インドの女性が纏うサリーにも絞りが施されていますし、アフリカやザイールなどでも絞りの技術は見受けられますが、日本ほど繊細で豪華な絞り染めが発達した国はないと言われています。本疋田絞りなどは、まさに日本人の感性の集大成でしょう。日本人が大切にしてきた文化、感性はずっと大切にしたいものです。
さて、今回『美しいキモノ2004春号』に掲載されました河上繁樹教授(関西学院大学)の資料を参考にさせていただきました。さらに詳しく調べられたい方は、『織りと染めの歴史ー日本編ー』河上繁樹、藤井健三著、昭和堂、1998をおすすめいたします。
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無地は手強き相手なり
個人的に、無地や無地っぽい着物は好きです。帯でいろいろ格を変え、雰囲気を変え、一枚でいろいろなシチュエーションを楽しみます。
しかしながら、いろいろな帯を合わせることができるからと言って、無地は無難で気楽な着物かと言うと、そうではない。
いろいろやってみた結果、その答えにたどり着きました。そもそも無地は、柄がない分だけ素材そのものが活きていますから、身に纏う方にも素材力を求めてくる。良くも悪くも、「自分」というものを突きつけられる、纏う度にそんな感じがします。気合いを入れないと、着物に負けそうになることも、しばしば。。。(苦笑)
気楽に始めた無地着物、気がつけば「自分」との戦いに。これまで、何勝何敗か?!勝ったことなどあっただろうか。。。?(笑)
これも着物の醍醐味でしょう。「自分」を映し出す無地の着物、手強い相手ですが是非チャレンジを!!